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【栄耀栄華】新人監督のニュージーランドスクリーン賞2作の快挙と往年名優ピーター・オトゥールが結ばれた理由




娯楽作以外の海外映画を視聴していると人種とは、自分の価値観とは、生まれ育った環境とは何なのだろうかと考えさせられることがあります。白人に生まれたら映画では多くの地域で仕事がしやすく恵まれる、日本人ではだめなのだろうか。いやけっしてそんなことはない。ただ白人が日本人や他のアジア人よりも先に大きなツールに手伸ばして占拠していただけだからです。

「 【栄耀栄華】新人監督のニュージーランドスクリーン賞2作の快挙と往年名優ピーター・オトゥールが結ばれた理由」スタートです。

前回記事⇒未来のNZ ニュージーランド映画を背負う新鋭とヴィンセント・ウォードの十字架




栄耀栄華 デビューでニュージーランドスクリーン賞に2作の快挙の真相






その後、の日本未公開の2006年『No.2』=別題『NamingNumberTwo』で監督デビューを果たしています。この作品も国内で好評を得て、2006年のニュージーランドスクリーン賞にノミネートされています。

さらに前回の記事にも登場したヴィンセント・ウォードが監督した2005年『ファイナル・ソルジャー』(原題はRiver Queen、日本でも公開)の脚本で参加、この作品は同年の2006年のニュージーランドスクリーン賞の監督賞に12部門でノミネートされました。


つまりトア・フレーザーは、2006年のニュージーランドスクリーン賞(ニュージーランドが製作に関与した映画とドラマの賞を表彰する賞)に2作においてノミネートしていることになります。2006年のトア・フレーザーは、『ファイナル・ソルジャー』は脚本でノミネートし、『No. 2』にも同時にノミネートしたということです。

『No. 2』は2006年の2月の公開であり、ギリギリの期間で2006年のニュージーランドスクリーン賞のノミネート作品の対象期間に含まれたようです。また、『No.2』のトア・フレーザーは監督としての初受賞はなりませんでしたが、主演女優や助演女優、助演男優など4部門が受賞しました。



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ニュージーランド新人監督の快挙 デビュー作でいきなりの北米デビューと白人史上主義




さらに『No.2』はニュージーランド国内の公開題名、また『NamingNumberTwo』は2006年に北米の公開用に題名を変更、事実上の北米でデビューも果たしたことになります。トア・フレーザー(ToaFraser)は監督デビュー作でいきなりの北米デビューができてしまうとは、やはりニュージーランドとアメリカは同じ英語の言語圏であるだけでなく、白人同士だから可能だった部分もありそうです。


ちょっと反れますがスポーツ業界はオリンピックや世界大会が存在し、日本人にもある程度の平等なレベルにおいて、トップになる可能性がたくさんありますが、映画業界には平等は薄めです。それゆえに海外の英語圏の多くが白人の中心に回っているわけです。悪く言えば、海外の英語圏の映画では日本人の存在は必然的のサブになるため、存在価値が薄く事実上の場違いともいえます。

なのでマスコミは海外に出ている俳優をスポーツと同様のように扱いのはおかしい部分もあると感じています。世界の映画界は今でも白人史上主義が広がっています。


日本人は日本で独自なモノを海外に発信していけば良いだけなのです。これができるのも映画業界を形成し、牽引してきた多くの俳優たちや製作者たちから譲り受けた土壌のおかげだと感謝しながら・・




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トア・フレーザーピーター・オトゥールのインディペンデント・フィルムは晩年の代表作の一つ





トア・フレーザーの2006年のデビュー作『No.2』は家族、コメディ要素の映画ですが、2007年のアメリカのBlack Reel Awardsのベスト・インディペンデント・フィルムにもノミネートされました。この賞はアフリカ系アメリカ人を評価するための賞であり、作品劇中にアフリカ系アメリカ人の俳優が参加していたことが確認できます。

トア・フレーザーは脚本とデビュー作の評価にとどまらずに監督2作目の日本未公開のコメディ『DeanSpanley 』(原題、2008年、製作はニュージーランドとイギリス)においても国内の高い評価を受けています。この映画にピーター・オトゥールが出演しています。


晩年のピーター・オトゥール(Peter Seamus O'Toole 2013年に81歳没、主にイギリスを拠点に活動)がメインキャスト3名に次ぐ、事実上の4番手の助演の参加作品でもあり、晩年の出演の代表作の一つに含まれるでしょう。

DeanSpanley 』はピーター・オトゥールの本国のイギリスで初公開したとき76歳でした。この作品の彼は白髪であり、往年の『アラビアのロレンス』などの若い印象は当に消え去っており、時代の流れを感じさせてくれます。若き日の印象が強い名優ですが、晩年も多くの名優と同様に積んできた履歴を背負った独特な雰囲気を放ってました。



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まさかのコラボレーション実現 英国と日本の大スターのピーター・オトゥール嵐寛寿郎



見出しの上記『Dean Spanley』写真のクレジット上記に位置した、5名の顔に注目していただきたいと思います。左から4人目、右から2人目にピーター・オトゥールの撮影時70代の顔が確認できます。

テレビドラマに出演していた1977年代後半にNHK放送されたドキュメンタリー要素を多く取り入れたテレビドラマ『日本の戦後』の1話「日本分割 知られざる占領計画」に重要な役柄で出演していた、晩年の時代劇映画の大スター嵐寛寿郎(日本歴代上位の主演映画245作以上を残し、映画350作以上に出演)を思い出してしまいました。


あくまで個人的なレベルですが、つぶらな瞳の表情が通じる部分がピーター・オトゥールと嵐寛寿郎に通じる部分があると感じています。映画愛子はこの『日本の戦後』は再放送でVHSビデオに録画して視聴しています。このテレビドラマの数年後に嵐寛寿郎は天国に召されています。



新星トア・フレーザーと名俳優ピーター・オトゥールにヴィンセント・ウォード デヴィッド・フィンチャーとジョディ・フォスターのカップル成立を叩け!!
さらに責めますし、攻めます。



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2017/11/15 00:02 | 洋画・探求COMMENT(2)TRACKBACK(0)  

未来のNZ ニュージーランド映画を背負う新鋭とヴィンセント・ウォードの十字架



前回はニュージーランド映画について取り上げましたが、せっかくの縁なのでさらに、独自な路線へ足を踏み込んでいきたいと思います。

ニュージーランド(New Zealand)はNew ZealandのNewとZealandの二つの頭文字をとってNZと略されているもの多く見かけます。個人的に気になるニュージーランド映画の今後を背負うかもしれない、ある監督に注目してみました。



前回記事⇒ニュージーランド映画と日本映画の歴史の極秘共通点【救急浮上若大将】



未来のNZことニュージーランド映画を背負う新鋭






トア・フレーザー(ToaFraser)という映画監督がニュージーランドに存在しています。彼は日本ではなかなか知られていない人物だと考えられます。何故なら日本公開作は監督1、脚本1だからです。でも映画愛子としてはこの人物に注目してみました。

トア・フレーザーは1975年にイギリス生まれてから1989年にニュージーランドへ移り住んで、2017年に数え年42歳、彼はある名優と関与を持つ人物であり、その部分はのちに話すとしますが、これらの履歴が未来の彼の活動に役立つことになります。

2017時点の映画の監督は6作、脚本のみは3作、テレビムービーの脚本は1作と本数や履歴は貧相ですが、40代前半のニュージーランドの映画監督としては十分な履歴の持ち主です。

なぜ、監督は6作、脚本のみは3作なのに十分な持ち主なのでしょうか。それはニュージーランドの映画市場は非常に小さく、海外の映画へ発信する方法のみしか、業界の発展がない現状があり、日本にように1国のみで業界が潤うことがないなど、大きく異なる環境が存在しているため、監督数5はある程度な本数だといえるかもしれません。





ピーター・ジャクソンはNZ映画において十分に多作のワケと一般長編監督世界最多の山田洋次





たとえばニュージーランド映画で有名なピーター・ジャクソンは現在の50代後半の時点、通産15作の映画を残しています。20本の大台まで届くのかは現時点では不明です。日本の現役15作だとした場合、監督の活動が娯楽方向かアート方向なのかにおいて、分かれるところもありますが、最低限な本数になってしまいますが、ニュージーランド映画では十分多作に含まれてしまいます。

日本の山田洋次は存命の先進国の一般長編監督では現役世界最多だと考えられる89作の映画を記録していますが、日本の歴代の映画監督の中で89作を残しても上位35名にさえ含まれません。それだけ日本映画の過去の大きな黄金期の遺産を感じさせられる部分です。つまり、山田洋次は日本ではそれほどではありませんが、ピーター・ジャクソンはニュージーランドで十分多作に含まれてしまいます。国の違いとは恐ろしい部分です。


映画パンフレット 男はつらいよ 噂の寅次郎(1978作品) 発行所:松竹株式会社事業部(A4版) 監督: 山田洋次  出演: 渥美清
山田洋次の分身とも言える「男はつらいよシリーズ」の主人公の車寅次郎は、日本喜劇映画の父、巨匠の斎藤寅次郎から名前が取られたことはあまりにも有名です。山田洋次の尊敬や敬意が込められています。





日本の現代における一般長編の現役監督は40作や50作ほどを残してようやく多作といえるでしょうが、ニュージーランド映画の歴史においては15作以上は十分に多作な方に含まれます。何故ならニュージーランドによる製作の映画はこの10年の年間公開作は8から11が基本環境だからです。

映画監督の多くが40代から50代をピークとしている場合が多く、トア・フレーザーに関しても現在の42歳からの10年ほどでもっとも本数を伸ばしやすい時期といえるでしょう。ある程度の流れに入れば10作、成功すれば15作も射程圏内です。

トア・フレーザーの監督デビューは2006年ですが、それ以前に脚本で評価を得ています。彼は年間10本ほどの公開が基本のニュージーランド映画の厳しい現状の中で経験を積むことが求められてきました。ニュージーランドのテレビドラマ監督のキース・ハンター(Keith Hunter)の作品で2000年に脚本家デビューしています。彼の数え年が25歳の時であり、脚本家としては若年のデビューといえます。



キース・ハンターの人物像について⇒今回のニュージーランド映画記事に山田洋次や 斎藤寅次郎の登場意味今回はある意味でかなり苦しみました。それが感じられる記事です。


トア・フレーザーヴィンセント・ウォード(VincentWard)という人物も関与しています。この人は日本でも比較的知られている人物であり、おそらくはニュージーランドの映画界でも大きく知られています。日本では映画ファンの認知が多いでしょうが『ラストサムライ』 (2003)の製作総指揮を担当した人物としても知られています。





ファイナル・ソルジャー』でにトア・フレーザーヴィンセント・ウォードがクロス





2005年にニュージーランド映画の戦争映画『ファイナル・ソルジャー』(原題はRiverQueen)、これにトア・フレーザーが関与しています。
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俳優はキーファー・サザーランドらが出演し、監督はヴィンセント・ウォード、製作国はニュージーランド 、イギリスです。この映画において、先輩のヴィンセント・ウォードとトア・フレーザーらの共同脚本で映画に参加、ニュージーランド国内の観客動員と興行成績という面でよい結果を残しました。2006年のニュージーランドの映画とドラマを表彰する「ニュージーランドスクリーン賞」に7部門でノミネートされました。



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2017/11/02 00:04 | 洋画・探求COMMENT(1)TRACKBACK(0)  

ニュージーランド映画と日本映画の歴史の極秘共通点【救急浮上若大将】



今回はこれまで以上に映画評論家もほとんど取り上げられていない部分に迫りたいと感じています。わたくし映画愛子はアメリカ映画のことは他の方々に任せて、独自な展開へ向かいます。「ニュージーランド映画と日本映画の歴史の極秘共通点【救急浮上若大将】」と題して誰も踏み込んでいない部分の密林の中へ、その密林の先には何が見えてくるのでしょうか。


前回記事⇒渡辺謙(KenWatanabe)の不倫に電波各社の影 映画の数字と反比例する実積誇張




ぱっと見ると北海道の北島と本州に見える南島




ニュージーランド映画と日本映画に関して、共通点や関連性を取り上げていきます。その前にニュージーランドと日本はいくつかの共通点がみられます。一つは形です。

日本の国土に形とニュージーランドの国土の形は、ぱっと見た感じは似ています。日本の北海道のようにも見える北島と本州のようにも見える南島、でもよく比べてみると最初に見た印象だけで実際は似ていません。南島は険しい山々が連なっており、陸地の多くを占めています。日本以上に山ばかりです。さらに北島も山は多くありますが、南に比べると標高は小さく火山は今も生きています。

ニュージーランドはお隣の大面積を誇るオーストラリアとほぼ同様にイギリス人を中心とした、ヨーロッパ各地からの移民によって現在の国が形成されました。いわゆる白人系が中心の国です。

政治マップニュージーランド( 36





ニュージーランド映画から日本映画の発端に隠された謎






2015年の調査の日本の人口は1億2700万人なのに対して、ニュージーランドの人口は最近の調査では470万人ほどであり、大規模な人口差が確認できます。ですが、ニュージーランドの映画は日本と近い歴史が存在し、そのいくつかが最初の映画の上映、映画製作、公開年数などにみられます。


日本やニュージーランドの映画の上映自体に関しては欧米人が製作の映画であり、日本は1886年、ニュージーランドは1885年から行われていましたが、自分たちで製作するところまで至りませんでした。ほんの1年違いです。

日本映画の製作は明治22年の1898年が最初とされていますが、なんと、ニュージーランドは1898年が最初とされています。奇遇なことに日本と同じ西暦年数にニュージーランドの映画製作がスタートしていたと記録が残されています。



ニュージーランドの風景
ニュージーランドは風景や景色に定評のある自然の豊かさを押し出している国です。カメラマンのデクラン・オニールによる幻想的な世界はニュージーランド映画ともつながる風景や景色が感じられます。



救急浮上してきたイギリス人の男性のAlfredHenryWhitehouseアルフレッド・ヘンリー・ホワイトハウスと若大将




さらに日本もニュージーランドの共通点が存在し、最初の自国の製作映画は同様に娯楽を記録したドキュメンタリーに該当するジャンルの映画でした。ドキュメンタリー映画は多数の国で最初に製作されたジャンルであり、日本の最初の自国製作の公開は1889年の歌舞伎を記録したドキュメンタリー映画芸者の手踊り』だといわれています。一方、ニュージーランドの場合はAlfredHenryWhitehouseというイギリス人によって1888年の12月末に公開(当時は上映)された、「オークランドカップ」のドキュメンタリー映画だったと考えられています。

製作は同年だったわけですが、ニュージーランドの自国製作による最初の映画の公開自体は日本より1年先だったということになります。「オークランドカップ」のドキュメンタリー映画は1889年にAlfredHenryWhitehouseによってニュージーランドの都市部を回って上映されたと記録が残されています。多くの人に観られたという面では日本と同じ1889年だったともいえるのかもしれません。


AlfredHenryWhitehouseアルフレッド・ヘンリー・ホワイトハウス、Alfred Whitehouse=アルフレッド・ホワイトハウスの表記もあり、ここでは多く使われているアルフレッド・ヘンリー・ホワイトハウスを採用します。この人物はイギリスからニュージーランドにやってきたイギリス人で映画の興行師となって、ニュージーランド映画の自国による最初の映画製作者だったといわれ、残した映画は10作ほどと本数は少なめでしたが、のちの影響力は大きくニュージーランド映画のパイオニアともいわれる人物です。

オークランドカップ=ニュージーランドの競馬の競走、「オークランドカップ」のドキュメンタリー映画はこの競馬の競走をl記録した作品



日本とニュージーランドの最初の映画の上映年数、自国による映画製作、その公開年数>

・最初の映画の上映=日本1886年 ニュージーランド1885年
・最初の映画製作=日本映画1888年 ニュージーランド1888年
・最初の自国映画の公開年数=日本映画1889年 ニュージーランド1888年または1889年の説





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日本とニュージーランドというと東宝映画の1969年に公開された『ニュージーランドの若大将』が挙げられます。まさに救急浮上です。いわゆる「若大将シリーズ」14作目です。加山雄三と酒井和歌子です。加山雄三の主演映画の代表作は「若大将シリーズ」とその他の数本を含めた20作に満たない数です。加山雄三はのちの歌手やタレント活動のため、知名度が先行して高い人物ですが、当時の映画スターとしての代表作数は多くありません。




日本とニュージーランドは上記の”日本とニュージーランドの最初の映画の上映年数、自国による映画製作、その公開年数”や『ニュージーランドの若大将』などを通して、関わりがほとんどない風に考えられていても、両国にいくつかの面で共通点が存在していました。



今回のウラ記事
  ↓   ↓
ピーター・ジャクソン降臨 ニュージーランド映画と日本映画の歴史の極秘共通点【救急浮上若大将】裏側
ピーター・ジャクソンの活躍の影に極秘人物の存在




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2017/10/20 00:01 | 洋画・探求COMMENT(0)TRACKBACK(0)  

祝生誕90年・黄金期を支えた映画スター・東千代之介の真実。あの石原裕次郎や三船敏郎、渥美清を余裕で上回った大スター



東映の時代劇映画や日本の映画界に関して、メディアやマスコミがあまり取り上げることがない部分を長きにわたってお届けしています。最初はラジオと映画の関係からでしたが、取り上げる機会だと思うのでさらに進めています。東映の時代劇の黄金期は1950年代を中心に年に100作以上の時代劇映画が作られていた時期があったほど、幅広い多彩な内容を形成し、大衆的な人気を誇っていました。ですが、各メディアやテレビはその事実をあまり取り上げていません。

前回の記事⇒映画スター・伏見扇太郎と活躍と転落と映画芸能の衰退の平行線に、月形龍之介と吉永小百合が緊急参戦


東映や日本映画黄金期を支えた映画スター・東千代之介が生誕90年


2016年は東映の黄金期を支えた映画スターの1人である東千代之介が生誕90年です。主演数は90作を越え、テレビがたまに取り上げるほど大好きなあの、石原裕次郎三船敏郎渥美清少なくとも主演数や記録においては余裕で上回っています。テレビはこのような同じ人物のたらい回しするだけではなく、他の本当に活躍した人物を取り上げることが必要です。

伏見扇太郎の関連でも多少は名前を出してしましたが、今回から深めに取り上げてみようと思います。マスコミ、メディアやテレビ、ラジオは現在でもごく一部の人物たちを誇張して取り上げているため、ご存知ない世代の方も多いと思いますが、いろいろな面で活動の痕跡を残した映画俳優でした。


デビュー作がいきなり有名作。東映だから可能だった雪之丞変化の独自な探求と東千代之介のかみ合い

東千代之介は1954年に「雪之丞変化 第一部 復讐の恋」でいきなりの主演デビューを果たしました。国民的映画スターの1人である長谷川一夫(当時・林長二郎の芸名)の戦前の代表作の一つ、東映風な作風を全面的に考えてられてリメイクした作品といえます。同じ題材であっても、松竹らしい和の様式的な要素に力を傾けた長谷川版とは異なり、全然違う雰囲気を形成しています。

東映風な力強い展開や俳優に比重を強く傾けるなどの工夫もみられます。その後、「雪之丞変化 第二部 復讐の舞」と「雪之丞変化 第三部 復讐の剣」も公開されて3部作が完結し、東千代之介は最初の主演3作を成し遂げました。この作品、わたくし愛子も見ています。

東千代之介は輝きがありました。デビュー作でありながら今の俳優とは輝きのレベルが違っていると感じさせてくれました。現在のデビュー直後の俳優は見た目や顔、スタイルばかりが重視され、個性や演技が薄いのが当たり前ですが、東千代之介はすでにある程度のレベルで出来上がっていました。

特に「雪之丞変化 第三部 復讐の剣」は1、2部とは別次元の印象を残します。あえて落差を計算しているのが数部構成の特色ですが、それ以上に3部の終盤の部分の15分くらいがすばらしい内容で感動と衝撃の上手さがありました。愛子も数多くの戦前から戦後の黄金期のよい時代劇映画を観ていますが、観た時はかなりの衝撃でした。2部があまりよくなかった分、内容的にも低迷した雰囲気から、あそこまで劇的に上手く展開や流れを持ち上げていけるものなのだろうか、目を疑った記憶が鮮烈にあり、東映ならでは上手い落差の躍動っぷりに感心しました。

若き日の次郎長 東海の顔役 [DVD]
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巨匠・マキノ雅弘が得意とした時代劇の有名題材”次郎長もの”の一つが「若き日の次郎長シリーズ」です。東映で全4作が作られましたが、「若き日の次郎長 東海の顔役」はその1作目です。東映チャンネルでは、最近になってようやくハイビジョン版は放送され、わたくしの録画し、観ています。東千代之介は主人公の清水の次郎長役の中村錦之助を手助けする重要な役柄で出演しています。巨匠・マキノ雅弘が形成した、独自な活劇的な時代劇の魅力が伺い知れます。

裏ブログ・軽めに攻めに責めた内容です⇒祝生誕90年・黄金期を支えた映画スター・東千代之介の真実。あの石原裕次郎や三船敏郎、渥美清を余裕で上回った大スター戦後の大スターから知る「マスコミの植えつけた活躍イメージは嘘だった件?!」

東千代之介と盟友・河野寿一との出会い


雪之丞変化の3部作”の監督はデビューして2年目の河野寿一が監督でした。河野寿一は、東映の時代劇映画で70作ほどの経験を経てから、1960年代にテレビに仕事を移し、「新選組血風録(1965)」や「用心棒シリーズ」の名作を中心で手がけることなっていきます。東映や日本のテレビ時代劇の発展に貢献した人物の1人です。

河野寿一と東千代之介は多少なりな縁がありました。どんなに活躍して、成功を収めたと認知された人間であっても、上手くいくときと上手くいかないときはある。東千代之介という俳優もさまざまな出会いや時代の流れを受け入れてきた俳優の1人でした。
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2016/08/02 17:38 | 洋画・探求COMMENT(0)TRACKBACK(0)  

東京に現実に存在したカルチャーの発信地と題された伝説。

11月になりました10月の注目セレクトをしてみました。
ひさびさに洋画を取り上げます。映画視聴本数は10月映画本数52本到達し、ペースを減らしだして2ヶ月、あと数本で2013を閉じる予定です。

スカパーの衛星劇場では小さな映画館の特集をやっていました。衛星劇場は今ではスカパーだけではなくひかりTVやJ:COM、auひかり、CATVで視聴出来るようになっています。ミニシアターの思い出~シネ・ヴィヴァン・六本木~という映画館のドキュメンタリーを放送していました。初代支配人の苦労話は痛々しいエピソードもありながら楽しいw

ゴダール作品は一時的な興行的には失敗でしたが、そのカルトさやマニアックさから一部の絶大な指示を受けて固定客がついたらしくそれは長期に渡れば成功ともいえる。この部分には感銘しました。わたしなりな解釈に置き換えてみました。

(*ゴダールこと、ジャン=リュック・ゴダールとは、数名しかいない存命の世界的映画監督の巨匠であり、前衛・芸術な作品群のフランス映画・ヌーヴェルヴァーグの旗手。ヌーヴェルヴァーグというわかりやすくいうとヌーヴェルヴァーグ流派を作った監督なわけで、ものすごい人です。)

東京の六本木に存在したカルチャーの発信地と題された伝説のミニシアター。(1883~1999)衛星劇場では今までも名ミニシアター特集をしてきましたが、ヴィヴァン・六本木もヨーロッパ映画を日本に紹介する役割も担っていた。今回の企画にも貴重作も混じっているからファンたまらないプログラムでもあります。6ヶ月連続やるとかどんなラインナップになるのか楽しみでもあります。10月にも未だハイビジョン化していない貴重な作品も放送していました。
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革命前夜」から
ベルナルド・ベルトルッチ監督の「暗殺の森」(1970)製作、イタリア・フランス・西ドイツ
「暗殺の森」は超有名作でもあるのですでにハイビジョン化していますが、10月他の2本はスタンダード版で放送されていました。原版の良さを味わえます。
エリック・ロメール監督の「緑の光線」(1987)フランス
ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞&国際批評家賞を受賞したロメールの「喜劇と格言劇」シリーズ第5作目。
●エリック・ロメール監督の「レネットとミラベル 四つの冒険」(1987)フランス
同じくロメールの監督作でこれはレア作品。商品化は一応はされています。
あやしい。仲むつまじい二人の女子がなにしてる・・・
11月はというと2本。
エットーレ・スコラ監督の「特別な一日」(1977)イタリア・カナダ
ソフィア・ローレンマルチェロ・マストロヤンニ主演の有名作。レア作品だけではこの企画は成り立ちそうにないのでこういう有名作がなきゃならないみたいです。いつでも放送してるような作品が含まれてるので個人的には残念です。普通な映画ファンは見てるような作品です。
○エリック・ロメール「パリのランデブー」(1995)フランス
これまたロメールのレア作品。一応ソフト化もされていますが数は少ないようです。

エリック・ロメールが日本でも有名な監督ゆえ需要はあるものかと思われます。ロメール監督というのはゴダール作品ほどカルトではないのが受け入れやすそうではあります。2月までのラインナップはスケジュール出てるのでみてみましたが、ゴダールのレア作品は含まれていないような・・・ゴダール自身の拒否があるからか、はたしてどうなるやら、カルト作に期待します。
暗殺の森【完全版】【字幕ワイド版】 [VHS]
「暗殺の森」は、逢坂 剛の小説「暗殺者の森」とは無関係です。の、はず・・ん~~
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2013/11/01 17:21 | 洋画・探求COMMENT(1)TRACKBACK(0)  

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