本当の盟友とは、戦後の黄金期を支えた映画スター・東千代之介と東映時代劇を支えたアノ監督の底知れぬ絆



名優と盟友、同じ読み方ですが、意味はぜんぜん違う。重なる部分もあるようで深い異なり、そこに踏み込むためにもこの二人を通してちょっとでも到達できたらうれしいです。戦後の黄金期を支えた映画スター・東千代之介にも”映画時代を代表する盟友”が存在していました。

前回記事⇒三船敏郎の渥美清を余裕で上回る世界記録を持つ映画スターが持つ「暗号ナンバー3」の意味


戦後の黄金期を支えた映画スター・東千代之介と東映時代劇を支えた監督


今回はあえて前々回の記事の”盟友・東千代之介河野寿一の出会い”を広げていこうと思います。

その関連記事⇒祝生誕90年・黄金期を支えた映画スター・東千代之介の真実。あの石原裕次郎や三船敏郎、渥美清を余裕で上回った大スター

東千代之介のデビュー作の「雪之丞変化」の3部作の監督が河野寿一でした。河野寿一は東千代之介の出演作を通産で26作で監督しています。主演数はそのうち23作です。東千代之介が出演した全映画作品の監督の中でも最多です。26作中、23作で主演と監督の関係でコンビを組んでいたことになります。河野寿一が一番を多く撮影した主演俳優が東千代之介であり、東千代之介が出演した監督の作品で最多数が河野寿一の監督作でした。数的には、完全に名コンビを形成していたといえます。

<映画スター・東千代之介と監督・河野寿一のコンビ映画作品>
・1954年
雪之丞変化 第一部 復讐の恋
雪之丞変化 第二部 復讐の舞
雪之丞変化 第三部 復讐の
里見八犬伝 第一部 妖刀村雨丸(中村錦之助とダブル主演的扱い)
里見八犬伝 第二部 芳流閣の龍虎
里見八犬伝 第三部 怪猫乱舞
里見八犬伝 第四部 血盟八剣士
里見八犬伝 完結篇 暁の勝鬨
蛇姫様 第一部 千太郎あで姿
蛇姫様 第二部 緋牡丹地獄
(コンビ10作目)
蛇姫様 第三部 恋慕街道
新選組鬼隊長片岡千恵蔵が主演)
・1955年
阿修羅四天王(市川右太衛門が主演)
名君剣の舞
白扇 みだれ黒髪
異国物語 ヒマラヤの魔王(中村錦之助とダブル主演的扱い)
異国物語 ヒマラヤの魔王 双竜篇
異国物語 ヒマラヤの魔王 日月篇
・1957年
鞍馬天狗 角兵衛獅子
鞍馬天狗 御用盗異聞
(コンビ20作目)
怪談番町皿屋敷(美空ひばりとダブル主演)
・1958年
なし
・1959年
紅だすき喧嘩状
・1960年
花桜千両槍
・1961年
出世武士道
・1962年
あべこべ道中
・1963年
関東遊侠伝 利根の朝焼け(里見浩太郎が主演)
(コンビ通算26作)

東千代之介―東映チャンバラ黄金時代
↑若き日の東千代之介の主演映画から↑

河野寿一×東千代之介の名コンビの代表的な作品群たち


河野寿一は東千代之介と主演数のコンビは23作です。実は河野寿一が映画時代にもっとも撮影した映画スターが東千代之介でした。中村錦之助は15作で2位です。東千代之介と河野寿一の名コンビ、河野寿一は中村錦之助とも名コンビであったともいえます。

特に「雪之丞変化 3部作」(1954)、「里見八犬伝 5部作」(1954)、「蛇姫様 3部作」(1954)、「怪談番町皿屋敷」(1957)、「鞍馬天狗」(1957)の2作は題材としても現在でも有名であり、河野寿一×東千代之介のコンビの代表的な作品といえます。単発作では「名君剣の舞」(1955)と「白扇 みだれ黒髪」(1955)も代表的な作品といえるかもしれません。


河野寿一×東千代之介の名コンビの衝撃の現実、そこに見えてくる有名な新撰組映画


新選組鬼隊長 [DVD]
新選組鬼隊長 [DVD]
posted with amazlet at 16.08.19
東映ビデオ (2004-10-21)
売り上げランキング: 172,725
残念ながら河野寿一と東千代之介は名コンビ名でありながら作品がDVD化されていません。東映によるDVDの商品化が求められています。個人的にはCS放送で多くのコンビ作を視聴してしていますが、もったいない限りです。

この「新選組鬼隊長」(1954)は片岡千恵蔵新撰組の全7作の題材シリーズの一つに該当します。
新撰組の全7作・以前の新撰組の記事⇒「近藤勇が現代によみがえる」大俳優はそれも背負い続けた。

新選組鬼隊長」は河野寿一による唯一の片岡千恵蔵作品であり、東千代之介も脇役で出演した大型作&オールスター作品でした。このとき、河野寿一はまだデビュー2年目の若手であり、このオールスター的な作品を撮影を許される時点で、ある程度は手腕を買われていたことも意味しています。

日々探求の励みに⇒にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへにほんブログ村こちらもポチ⇒映画(全般) ブログランキングへ

  

2016/08/20 08:52 | 邦画の探求COMMENT(0)TRACKBACK(0)  

三船敏郎の渥美清を余裕で上回る世界記録を持つ映画スターが持つ「暗号ナンバー3」の意味


真骨頂とは”その真価を示す姿”という意味です。俳優にもそれぞれの極める道というものがあります。俳優であるからには自分の存在を後世に残すことも一つの活動の証といえます。

前回記事⇒祝生誕90年・黄金期を支えた映画スター・東千代之介の真実。あの石原裕次郎や三船敏郎、渥美清を余裕で上回った大スター


映画の世界記録と東千代之介、本当の国民的映画大スター・片岡千恵蔵


残念ながら三船敏郎は一つも世界記録を持っていません。渥美清もいくつかのみです。ですが、東千代之介が記録を持っていることを存知でしょうか。その可能性を検証していきます。そこには

映画の世界で数多くの記録を持っている俳優は世界にもあまり存在していません。日本には国民的大スター・片岡千恵蔵のさまざまな世界記録が存在しています。片岡千恵蔵東千代之介は東映時代の先輩と後輩の関係で、共に戦後黄金期を盛り上げるよきライバル関係も形成していました。記録数では片岡千恵蔵には全然に及びませんが、東千代之介もいくつかの世界記録の可能性を残しています。

片岡千恵蔵の映画俳優としての世界記録の数例>
7名の監督と主演10作以上でコンビ
・戦前と戦後において40作以上の主演でコンビを組んだ監督が存在
・4大巨匠と主演20作以上のコンビを形成
・通算43名の名監督の映画作品に出演
・巨匠14名で主演映画
・オールスターもの映画の総出演数85作以上
・オールスターもの映画の総主演59作以上
・主演映画で20年以上主演演じた役数が8つ
・主演映画で10年以上演じた役数が12つ
・記事のメインではないので控えますが、ほかにも数十の記録が存在


東千代之介と映画の世界記録。暗号ナンバー3の意味


映画界でいかに世の中に記録を残すことが困難なことかがわかります。東千代之介と映画の世界記録には、暗号ナンバー3という数字が大きく関与してきます。果たしてその3という数字は何でしょうか。

<東千代之介の3部作以上、3シリーズ以上の主演作>
主演順  「タイトル 部数やシリーズ作数」  公開年数
1、「雪之丞変化 3部作」 1954
2、「新諸国物語 笛吹童子 3部作」 1954
3、「里見八犬伝 5部作」 1954
4、「蛇姫様 3部作」 1954
5、「三日月童子 3部作」 1954
1~5までで17作に主演
6、「竜虎八天狗 4部作」 1954
7、「新諸国物語 紅孔雀  5部作」 1954~1955(1部のみ1954)
8、「百面童子 4部作」 1955
9、「弓張月 3部作」 1955
10、「異国物語 ヒマラヤの魔王 3部作」 1956
1~10までで合計36作に主演
11、「鞍馬天狗シリーズ 4作」 1956~1959
12、「新諸国物語 七つの誓い 4部作」 1956~1957
13、「ひばり捕物帖シリーズ 4作」 1958~1960
1~13までで合計で48作に主演


上記の通り、東千代之介と映画の世界記録。暗号ナンバー3の意味とは大まかに3部作以上のことです。なんと一人の映画俳優で3部作は11つ、シリーズは2つ存在しています。これは大きな功績です。

東千代之介と暗号ナンバー3の解読


東千代之介と暗号ナンバー3は、上記の1~13の通り、”3部作以上、3シリーズ以上”のことを指しています。戦後の一般映画の俳優で、3部作以上、3シリーズ以上が13つは世界にも誰も存在していません。要するに世界記録といえるかと考えています。

また、戦前においても題材作という面では3部作以上、3シリーズ以上を多くの数を記録している俳優は数名いますが、東千代之介が記録した3部作以上、3シリーズ以上の13つではなく、題材数ということが正確です。そのため、この13つという数字は、戦前と戦後を通じて前人未到ともいえる記録です。

”13、「ひばり捕物帖シリーズ 4作」 1958~1960”は、”ひばり”からもわかるように美空ひばりと共演した作品です。この作品は正確にいうと主演ではなく、美空ひばりの相手役といえます。ですが、男優としてはトップ扱い出ているため、主演扱いをしています。たとえ、この「ひばり捕物帖シリーズ」の4作を引おいても3シリーズ以上は12つです。13つから一つ減った12つも同様に前人未到の大きな記録には変わりありません。

一言で言えば東千代之介は日本にみならず、世界の映画界で、自分独自な到達点に至ったといえます。

歌舞伎十八番「鳴神」 美女と怪龍 [DVD]
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D) (2012-11-21)
売り上げランキング: 175,247
巨匠・吉村公三郎の監督、異才・新藤兼人の脚本、吉村×新藤の近代映画社の名コンビで、東千代之介の主演が実現した唯一の映画作品「歌舞伎十八番「鳴神」 美女と怪龍」。歌舞伎の題材にモチーフを得た長編作品です。新藤兼人の妻・名女優となっていく、乙羽信子とも共演。


・裏ブログも更新中⇒嵐寛寿郎の苦戦と時代劇3大スター、追い詰める若山富三郎、東千代之介が逃げ切った

日々探求の励みに⇒にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへにほんブログ村こちらもポチ⇒映画(全般) ブログランキングへ

  

2016/08/12 18:06 | 邦画の探求COMMENT(0)TRACKBACK(0)  

祝生誕90年・黄金期を支えた映画スター・東千代之介の真実。あの石原裕次郎や三船敏郎、渥美清を余裕で上回った大スター



東映の時代劇映画や日本の映画界に関して、メディアやマスコミがあまり取り上げることがない部分を長きにわたってお届けしています。最初はラジオと映画の関係からでしたが、取り上げる機会だと思うのでさらに進めています。東映の時代劇の黄金期は1950年代を中心に年に100作以上の時代劇映画が作られていた時期があったほど、幅広い多彩な内容を形成し、大衆的な人気を誇っていました。ですが、各メディアやテレビはその事実をあまり取り上げていません。

前回の記事⇒映画スター・伏見扇太郎と活躍と転落と映画芸能の衰退の平行線に、月形龍之介と吉永小百合が緊急参戦


東映や日本映画黄金期を支えた映画スター・東千代之介が生誕90年


2016年は東映の黄金期を支えた映画スターの1人である東千代之介が生誕90年です。主演数は90作を越え、テレビがたまに取り上げるほど大好きなあの、石原裕次郎三船敏郎渥美清少なくとも主演数や記録においては余裕で上回っています。テレビはこのような同じ人物のたらい回しするだけではなく、他の本当に活躍した人物を取り上げることが必要です。

伏見扇太郎の関連でも多少は名前を出してしましたが、今回から深めに取り上げてみようと思います。マスコミ、メディアやテレビ、ラジオは現在でもごく一部の人物たちを誇張して取り上げているため、ご存知ない世代の方も多いと思いますが、いろいろな面で活動の痕跡を残した映画俳優でした。


デビュー作がいきなり有名作。東映だから可能だった雪之丞変化の独自な探求と東千代之介のかみ合い

東千代之介は1954年に「雪之丞変化 第一部 復讐の恋」でいきなりの主演デビューを果たしました。国民的映画スターの1人である長谷川一夫(当時・林長二郎の芸名)の戦前の代表作の一つ、東映風な作風を全面的に考えてられてリメイクした作品といえます。同じ題材であっても、松竹らしい和の様式的な要素に力を傾けた長谷川版とは異なり、全然違う雰囲気を形成しています。

東映風な力強い展開や俳優に比重を強く傾けるなどの工夫もみられます。その後、「雪之丞変化 第二部 復讐の舞」と「雪之丞変化 第三部 復讐の剣」も公開されて3部作が完結し、東千代之介は最初の主演3作を成し遂げました。この作品、わたくし愛子も見ています。

東千代之介は輝きがありました。デビュー作でありながら今の俳優とは輝きのレベルが違っていると感じさせてくれました。現在のデビュー直後の俳優は見た目や顔、スタイルばかりが重視され、個性や演技が薄いのが当たり前ですが、東千代之介はすでにある程度のレベルで出来上がっていました。

特に「雪之丞変化 第三部 復讐の剣」は1、2部とは別次元の印象を残します。あえて落差を計算しているのが数部構成の特色ですが、それ以上に3部の終盤の部分の15分くらいがすばらしい内容で感動と衝撃の上手さがありました。愛子も数多くの戦前から戦後の黄金期のよい時代劇映画を観ていますが、観た時はかなりの衝撃でした。2部があまりよくなかった分、内容的にも低迷した雰囲気から、あそこまで劇的に上手く展開や流れを持ち上げていけるものなのだろうか、目を疑った記憶が鮮烈にあり、東映ならでは上手い落差の躍動っぷりに感心しました。

若き日の次郎長 東海の顔役 [DVD]
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D) (2015-11-11)
売り上げランキング: 139,177
巨匠・マキノ雅弘が得意とした時代劇の有名題材”次郎長もの”の一つが「若き日の次郎長シリーズ」です。東映で全4作が作られましたが、「若き日の次郎長 東海の顔役」はその1作目です。東映チャンネルでは、最近になってようやくハイビジョン版は放送され、わたくしの録画し、観ています。東千代之介は主人公の清水の次郎長役の中村錦之助を手助けする重要な役柄で出演しています。巨匠・マキノ雅弘が形成した、独自な活劇的な時代劇の魅力が伺い知れます。

裏ブログ・軽めに攻めに責めた内容です⇒祝生誕90年・黄金期を支えた映画スター・東千代之介の真実。あの石原裕次郎や三船敏郎、渥美清を余裕で上回った大スター戦後の大スターから知る「マスコミの植えつけた活躍イメージは嘘だった件?!」

東千代之介と盟友・河野寿一との出会い


雪之丞変化の3部作”の監督はデビューして2年目の河野寿一が監督でした。河野寿一は、東映の時代劇映画で70作ほどの経験を経てから、1960年代にテレビに仕事を移し、「新選組血風録(1965)」や「用心棒シリーズ」の名作を中心で手がけることなっていきます。東映や日本のテレビ時代劇の発展に貢献した人物の1人です。

河野寿一と東千代之介は多少なりな縁がありました。どんなに活躍して、成功を収めたと認知された人間であっても、上手くいくときと上手くいかないときはある。東千代之介という俳優もさまざまな出会いや時代の流れを受け入れてきた俳優の1人でした。
日々探求の励みに⇒にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへにほんブログ村こちらもポチ⇒映画(全般) ブログランキングへ

  

2016/08/02 17:38 | 洋画・探求COMMENT(0)TRACKBACK(0)  

 | BLOG TOP |