マスコミが放置し続ける”マキノ省三賞の大物映画製作者”、歴代の大人物たちとの軌跡と奇跡
裏ブログの方で取り上げたのでそ牧野省三賞と少し重要な人物を取り上げたいと思います。牧野省三賞は日本初の映画祭の京都映画祭の中で、映画界に貢献した1958年から功労者を評するために作られた賞です。1977年からスタートした日本アカデミー賞の前身といえるのが京都映画祭です。日本初の映画の生涯功労賞が牧野省三ともいえます。
こちらも機会があれば
前回⇒池波正太郎の初の時代劇映画・維新の篝火と若山富三郎の極道シリーズの奇跡のクロスオーバー
問題の裏⇒ヘンリー・フォンダやジョン・ウェインも登場、片岡千恵蔵、月形龍之介と日本アカデミー賞の前身の”牧野省三賞”の存在
本当に評価された初期のマキノ省三賞の受賞者
日本映画は欧米のように1958年の京都映画祭までは生涯を功労賞を与えることをほとんどしてきませんでした。ですが、ようやく重い腰を上げて生涯功労を表彰する場を作ったのがこのマキノ省三賞でした。賞を与えること=俳優や映画関係者のそのままの評価も無理があります。ですが、名前や活躍した事実を後世に残すためには致し方ない部分も存在しています。
マキノ省三は日本に映画の定着や日本初の巨匠として数多くの功績を残した大人物でした。当然ながら、一言で説明できるような現代に活動しているレベルの軽い人物ではありません。これも何かの流れや縁であり、気になる点を中心に取り上げていきます。
<マキノ省三賞の受賞者>
・回と受賞年 ・受賞者 ・部門
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第1回(1958) 片岡千恵蔵 映画俳優
(映画主演310作以上、戦前と戦後の両方で邦画や時代劇を牽引、
数多くの題材で成功、影響も多大、シリーズ作、当たり役、記録、主な主演の
代表作は歴代1位150本を越し、総合的に日本の映画俳優の歴代トップ)
第2回(1959) 玉木潤一郎 映画製作者
(?)
第3回(1960) 月形龍之介 映画俳優
(映画500作、主演は110作強、助演と戦後を通じて数多くの大スターを助演で支え、
主演でも活躍、助演で有名な役柄を主に何度も多数で演じる)
第4回(1961) 市川右太衛門 映画俳優
(映画主演300作を上回る歴代上位の映画スター、戦後も千恵蔵と戦後の
邦画最大の黄金期に大きく貢献、主な主演の代表作は100作以下)
第5回(1962) 鈴木晰也 映画製作者
(?)
第6回(1963) 伊藤大輔 映画監督
(剣戟映画から時代劇の形成に大きく貢献、後世への多大な影響、基本を形成、
さらに大河内との名コンビで特に戦前は数多くの代表作がある)
第7回(1964) 内田吐夢 映画監督
(戦前は日活の現代劇名監督、戦後は千恵蔵、錦之助と東映の時代劇などで
独自な美学を詰め込んだ多数の名作を残した)
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上記のこの(?)が付く二人に関して深めに浸水していきます。
日本映画界と忘れ去られる”牧野省三賞の大物映画製作者・玉木潤一郎”
上記の牧野省三賞の受賞者を見てもらうだけでもわかるとおり、片岡千恵蔵、月形龍之介、市川右太衛門、伊藤大輔、内田吐夢の5名は超大物であり、説明するまでもない人物ですが、玉木潤一郎と鈴木晰也は世の中からその存在自体が忘れ去られようとしています。それもあるので少し掘り下げてみようと思います。
日本映画の発展に大きく貢献した人物に与える賞が牧野省三賞でしたが、初期に受賞した人物の中にはあまり知られていない人物が居ます。玉木潤一郎と鈴木晰也の存在です。特に玉木潤一郎という人物は大きな存在でした。
玉木潤一郎が俳優時代に日本映画の個性を形成した超大物たちとの共演歴
玉木潤一郎は、日本映画界の1950年代の11億人を越したときもあった、最大の黄金期の功労者の一人です。特に片岡千恵蔵と戦前から36年にわたって、盟友としても知られ、同時に大きく縁がある映画人生でした。当時は現代のようにまだまだ高齢化社会ではなく、この36年という途方もない数字は驚異的でした。
玉木潤一郎の戦前は、脇役や端役の俳優としてデータが現存しており、1930年代には日本歴代上位の映画スターにまで到達していた、片岡千恵蔵と知り合いだったと考えられます。玉木潤一郎は片岡千恵蔵と同じく、1920年代の後半にマキノ省三関連の映画会社で俳優として活躍した時期があり、のちの歴代上位の映画スター・市川右太衛門や嵐長三郎(のちの嵐寛寿郎)、時代劇4巨匠に数えられる大監督・マキノ正唯(のちのマキノ雅弘)とも俳優時代に共演しています。
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裏⇒「マスコミが放置し続ける”マキノ省三賞の大物映画製作者”、歴代の大人物たちとの軌跡と奇跡」の裏は文化勲章?!できるだけやさしい内容を心がけています。
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2016/11/07 20:19 | 邦画の探求 | COMMENT(0) | TRACKBACK(0)