さらば伝説無職映画監督 手塚治虫&車寅次郎と最期の登頂は感無量
「さらば伝説無職映画監督 手塚治虫&車寅次郎と最期の登頂は感無量」と題し、今回記事で伝説無職映画監督がラストの予定です。表は計5回に分けて(ウラ含むと長々お送りしてきました。伝説無職映画監督についてなかなか取り上げられる機会さえもない人物だからこそ、あえて取り上げることが大切だと考えまして、かなりの時間をかけて取り上げて参りました。もうこれで感無量の涙、思い残すことはありません。
前回記事⇒無職無双大願 可愛い子供たちと美人妻の極楽創作漬け監督人生
伝説無職映画監督が手塚治虫とまさかの関与とアマチュア映画制作会社の創立に関与
実は彼はあの大漫画家、日本漫画家の先駆者の手塚治虫の父と知り合いだったといいます。さらに後身後輩の輩出にも力を注ごうとしていたとき、亡くなったといいます、本文の下記「個人映画特集:2 森紅・服部茂作品集」で上映された森紅の作品群の最期の『さくら』(1938)は1930年代の後半に神戸に存在したといわれる、アマチュア映画制作会社「枝野商会クラブ」(上映時のメモなので間違えていたらごめんなさい、最初の2文字は枝野だと思うのですが、あとの商会クラブの部分は確実)で教え子=野村美明の監修で映画製作に関わったといいます。
アマチュア映画制作会社は他の人物たちと共同で創立したといわれていますが、それでも彼は無職だったというのです。ある種の仕事をしたのだと思うのですが、後輩の指導をしても給料を得ていなかったようで、会社を創設しても仕事とならず、無職とはあっぱれです。

映画パンフレット 「アニメラマ・クレオパトラ」 原案/構成/監督 手塚治虫 監督 山本暎一 声の出演 中山千夏/ハナ肇/なべおさみ/吉村実子/初井言栄/塚本信夫/野沢那智/今井和子
乳房が見えているところが見えていますが、これはあくまでアートです。鉄腕アトムの劇場版の1964『鉄腕アトム 宇宙の勇者』や1966『ジャングル大帝(1966)』の劇場版の監督、『宇宙戦艦ヤマト』のテレビシリーズの監督や映画版の脚本で参加したことでも有名な山本暎一が手塚治虫と共同で監督参加した『アニメラマ・クレオパトラ』、または『クレオパトラ』のタイトルも有、これはほんとに貴重なポスターです。映画は手塚治虫のアニメ製作会社の虫プロダクションで製作され、1970年に公開しました。
ある種の集大成『私の子供』
この『私の子供』の完成には父親の存在が大きな意味があると考えられます。父親の死までの流れを映画化した『別府のお父さんに逢ふて来ます』、『寂光』、『納骨の日』はある種の”森紅の父親三部作”といえるかもしれません(自称ですが)。この3作、個人的には『納骨の日』が自身の作家性を高めたという点で重要な意味を持っていたのではないかと考えています。父親三部作の流れや『納骨の日』の存在が『私の子供』の完成につながったことは言うまでもありません。
父親がいなければ、映画との深い出会いはありませんし、監督名の森紅もありませんし、その子供も存在しておらず、海外や日本で存在が散り上げられることもなかったでしょう。
個人的に印象の残る森紅と服部茂の総合ベスト3 11作中
1.『納骨の日』
2.『寂光』
3.『私の子供』
無職ゆえの家族愛
無職を生涯貫いた森紅の映画人生は他人から見れば天国でもあったのかもしれませんが、働かないという行為に後悔はなかったのでしょうか。『私の子供』や交換は後悔されなかった『私の子供』のリメイク作には森紅の子供たちが登場しています。『私の子供』は二人の男児、『私の子供』のリメイク作はさらにもう一人の男児が登場、さらに別な映画には母親や妻、娘が登場した映画もありました。そして自分自身も少しだけ登場しています。家族は森紅がカメラで撮影することに違和感を感じていない様子でした。作品に登場した母親や妻の印象からすると自然な感じで撮影されており、映画撮影が日常になっていたようなのです。
森紅が自分の映画に登場した瞬間の時間差認識
森紅の風貌はメガネでちょっと太り気味のもちろん2枚目から程遠い風貌の中年男性でした。自分の映画の中に数秒間のみ登場しています。
実は前回の記事の中で『森紅小品集』は短編、6作で4分で構成されており、①『四天王寺』、②『森展利二歳』、③『或る日の母』、④『淀川公園にて露子つ多子』、⑤『散策の榮子』、⑥『スケッチ』だとかきましたが、この中に森紅自身が登場している短編が存在していました。見たときは中年おじさんが突然登場してカメラを見ているくらいにしか感じられませんでしたが、この上映後のトークショーによるとその人物が森紅だというのです。見たと気はただの移り込んだだけの中年男性だと感じてたことにあっけにとられました。
「個人映画特集:2 森紅・服部茂作品集」で上映された森紅の作品群
・森紅名義
『今日の佛事』 7分 1930 ドキュメンタリー
『納骨の日』 10分 1930年代初頭 ドキュメンタリー
『別府のお父さんに逢ふて来ます』 14分 1930頃 ドキュメンタリー
『寂光』 13分 1930頃 ドキュメンタリー
『森紅小品集』 4分 1932 ドキュメンタリー
①『四天王寺』、②『森展利二歳』、③『或る日の母』、④『淀川公園にて露子つ多子』、⑤『散策の榮子』、⑥『スケッチ』←今回記事でポイントを置いている作品
5
・服部茂の名義
『私の子供』 6分 1934 ドキュメンタリー
『忍術三太郎』 8分 1927 現代劇
『學生スポーツ劇 若き日』 15分 1927 現代劇←今回記事でポイントを置いている作品
『彌次喜多 散歩の巻』 6分 時代劇要素を持つ現代劇 1928
『喜劇 ホイホイ先生 海岸の巻』 4分 製作年不詳 現代劇
10
『さくら』 4分 1938 ドキュメンタリー
11
個人的に記録していたメモによると登場したのは⑥『スケッチ』となっています。上映中に気になる点だけメモしたメモ帳には「見ている男、誰?」と”メガネの男性の顔”を映画愛子自身が描いていていました。実はメモ帳を見直しするまで自分自身でも忘れていました。この「個人映画特集:2 森紅・服部茂作品集」の上映はさまざまな要素が幅広く多彩にてんこ盛り過ぎる計11作だったため、情報量が膨大すぎて部分部分の記憶が削れていたようです。この森紅自身が登場した場面がどこだったかも重要なところなので取り上げてみました。
森紅がなぜ自分を記録したかですが、家族を記録しておきたい気持ちは同時にその家庭の一員でもある自分自身を記録しておきたかったのでしょう。それはのちにこの映画群を見るかもしれない家族への無職なりの愛があったのでしょう。
森紅はリアルな『男はつらいよ!』の車寅次郎と股旅ジャンルの時代劇の主人公のように
森紅はリアルな『男はつらいよ!』の主人公の車寅次郎や諸国を放浪し弱き庶民を助け、悪を懲らしめるなどの好き勝手な人生を生きた股旅ジャンルの時代劇映画の主人公などような要素があるかと思います。森紅は自分のやりたいことをやるという純粋で、困難な好き勝手の人生をつらぬいて、無職のまま妻や数名の子供のいる家庭を持ち、こうして後世に取り上げられているだけでも十分伝説です。ある種の無職伝説を残したこの人物を心のどこかであこがれる部分があります、好きなことで生きて、幸せを感じていたか分かりませんが、映画の中からある種の幸せを感じてしまいます。このような有能な無職の人間も世の中の多様性の一部だということを、心の中にそっとしまっておける余裕を持ちたいものです。
最後に最期の登頂は感無量((今回の記事で最後の投稿完了)は書き手としても感無量の思いです。涙を拭いて、伝説無職監督よ、さらば
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無職の代表格、山田洋次の心の師匠、監督数200強の喜劇映画の巨匠・斉藤寅次郎からインスパイアされエピソードも有名ですが、全体は架空の人物だちおされた無職の代表格が車寅次郎です。
車寅次郎が登場する『男はつらいよ 拝啓車寅次郎様』
今回記事の裏側⇒一般伝説巨匠の小津安二郎VS伝説無職映画監督 まさかの1番勝負が存在していた
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2018/05/30 00:00 | 邦画の探求 | COMMENT(8) | TRACKBACK(0)