映画で40年本当のレジェンド・トップランナーとして駆け抜けた2大俳優の輝き②「世界で歴代圧倒的1位の男」
前回の「数多くの世界記録を持ち過ぎる男」もぜひご覧いただけたらと思います。(映画で40年本当のレジェンド・トップランナーとして駆け抜けた2大俳優の輝き①「数多くの世界記録を持ち過ぎる男」)
市川右太衛門と日本の世界に通じた映画俳優たち
2位市川右太衛門 大名・前田慶次郎 あばれ大名
結局は片岡千恵蔵と市川右太衛門がワンツーになりました。この二人は若い読者の方はご存じないかと思われますが、日本の映画界を戦前から戦後まで支え続けてきた国民的な超大スターの映画俳優です。
東映の時代劇の全盛期はやはり格別さがあります。右太衛門は「旗本退屈男シリーズ」(計30作)や「オールスターモノ(主演10作、千恵蔵の約3分の1以下)」などを中心に千恵蔵に次ぐ、東映のナンバー2の俳優として君臨しました。
5作以上のシリーズと演目的シリーズが合わせて3つ(旗本退屈男、オールスター、鳴門秘帖シリーズ(法月弦之丞)のみ)があり、千恵蔵の5作以上のシリーズや演目的シリーズが15作(世界歴代1位)比べると大きく少いわけですが、日本映画の歴代ではそこそこ上位に入ります。10作以上は「旗本退屈男シリーズ」のたった1つのみ、千恵蔵は世界歴代1位の9つあります。
「旗本退屈男シリーズ」は計30作が製作されています。歴代で30作以上の映画シリーズを持つ主演俳優はこの人のほかには、日本映画の中でも歴代、尾上松之助、嵐寛寿郎、森繁久彌、渥美清、三益愛子の歴代で5名しかいません。歴代では6名であり、30作以上の歴代の到達順番は尾上松之助(忠臣蔵)、嵐寛寿郎(鞍馬天狗、右門捕物帖)、市川右太衛門(旗本退屈男)、三益愛子(母モノ)、森繁久彌(社長)、渥美清(男はつらいよ)の順番となります。
「旗本退屈男シリーズ」の早乙女主水之介を映画で主演で演じている年数では33年(1930~1963)で他5名に勝っています。渥美清(男はつらいよ)が28年で2位。テレビの「旗本退屈男(1973)」を含めると映画とドラマの映像作品における同じ役を主演で演じた年数が43年(1930~1973)なり、圧倒的に世界で歴代1位の数字となります。渥美清も年数においては圧倒的に負けおり、渥美は最近なので過大評価されている部分が大きいのです。また、これらについてだけは右太衛門が千恵蔵に勝る大きな部分です。
有名な役は法月弦之丞が5作、大岡越前と荒木又衛門4度、近藤勇と水戸黄門、山内伊賀之亮が2作などを演じています。千恵蔵とは主演数の差は20作ほど(映画主演数が千恵蔵320、右太衛門300)ですが、旗本退屈男以外では、10作以上の当たり役がゼロや出演作の多彩さ、ヒット作数、巨匠や名匠とのコンビ数など、”千恵蔵との主演数の20作差を上回る記録の大きな差”が存在しています。他にも色々あるのですが、キリがなく膨大な記録の量があり、これだけでもなんとなくはわかっていただけたかと思います。
市川右太衛門の円熟の前田慶次郎の鋭き冴え
上記で取り上げていないこのシリーズも代表作に入るのではないでしょうか。全9作が作られた通称”大名シリーズ”第6弾の「あばれ大名」の前田慶次郎は、歌舞伎者であり、徳川家康(大河内傳次郎)の天下に自ら意義を唱えた。右太衛門のお家芸ともいえる笑いや微笑みを随所に駆使した独自な演技が鋭く冴える。右太衛門は日本映画の父といわれる超大物のマキノ省三にスカウトされて映画俳優に転向する前には上方で歌舞伎をやっていたのですが、歌舞伎の要素をじんわりと忍ばせた時代劇映画スターとしての演技は、円熟味にまで到達しています。
笑いや微笑みを取り入れた独特で明るみの演技と大きく落差のある鋭さは、まさに右太衛門の極めたお家芸といえます。「あばれ大名」は1959年の作品。1964年に映画俳優を引退するわけですが、晩年に差し掛かっていたベテランスターの味わいが堪能できる名演です。最近の俳優とは演技の鋭さや技術、冴えもケタ違いのように思えてしまいます。
東映の創立に千恵蔵ともに関わった超大俳優でもありますが、この二人がいたからこそ、数多くの若手が躍動できたのは言うまでもない事実です。二人とも助演で書いている山田五十鈴と同様に時代が早すぎて、世界とは記録以外では縁がありませんでしたが、それと同時に知らない若者にもっと知ってほしい俳優の一人です。事実かはわかりませんがアニメや漫画の「ドラえもん」もモデルなったとの噂も聞いたことがあります。
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2015/06/07 13:35 | ランキング(11~ | COMMENT(0) | TRACKBACK(0)
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