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祝生誕90年・黄金期を支えた映画スター・東千代之介の真実。あの石原裕次郎や三船敏郎、渥美清を余裕で上回った大スター



東映の時代劇映画や日本の映画界に関して、メディアやマスコミがあまり取り上げることがない部分を長きにわたってお届けしています。最初はラジオと映画の関係からでしたが、取り上げる機会だと思うのでさらに進めています。東映の時代劇の黄金期は1950年代を中心に年に100作以上の時代劇映画が作られていた時期があったほど、幅広い多彩な内容を形成し、大衆的な人気を誇っていました。ですが、各メディアやテレビはその事実をあまり取り上げていません。

前回の記事⇒映画スター・伏見扇太郎と活躍と転落と映画芸能の衰退の平行線に、月形龍之介と吉永小百合が緊急参戦


東映や日本映画黄金期を支えた映画スター・東千代之介が生誕90年


2016年は東映の黄金期を支えた映画スターの1人である東千代之介が生誕90年です。主演数は90作を越え、テレビがたまに取り上げるほど大好きなあの、石原裕次郎三船敏郎渥美清少なくとも主演数や記録においては余裕で上回っています。テレビはこのような同じ人物のたらい回しするだけではなく、他の本当に活躍した人物を取り上げることが必要です。

伏見扇太郎の関連でも多少は名前を出してしましたが、今回から深めに取り上げてみようと思います。マスコミ、メディアやテレビ、ラジオは現在でもごく一部の人物たちを誇張して取り上げているため、ご存知ない世代の方も多いと思いますが、いろいろな面で活動の痕跡を残した映画俳優でした。


デビュー作がいきなり有名作。東映だから可能だった雪之丞変化の独自な探求と東千代之介のかみ合い

東千代之介は1954年に「雪之丞変化 第一部 復讐の恋」でいきなりの主演デビューを果たしました。国民的映画スターの1人である長谷川一夫(当時・林長二郎の芸名)の戦前の代表作の一つ、東映風な作風を全面的に考えてられてリメイクした作品といえます。同じ題材であっても、松竹らしい和の様式的な要素に力を傾けた長谷川版とは異なり、全然違う雰囲気を形成しています。

東映風な力強い展開や俳優に比重を強く傾けるなどの工夫もみられます。その後、「雪之丞変化 第二部 復讐の舞」と「雪之丞変化 第三部 復讐の剣」も公開されて3部作が完結し、東千代之介は最初の主演3作を成し遂げました。この作品、わたくし愛子も見ています。

東千代之介は輝きがありました。デビュー作でありながら今の俳優とは輝きのレベルが違っていると感じさせてくれました。現在のデビュー直後の俳優は見た目や顔、スタイルばかりが重視され、個性や演技が薄いのが当たり前ですが、東千代之介はすでにある程度のレベルで出来上がっていました。

特に「雪之丞変化 第三部 復讐の剣」は1、2部とは別次元の印象を残します。あえて落差を計算しているのが数部構成の特色ですが、それ以上に3部の終盤の部分の15分くらいがすばらしい内容で感動と衝撃の上手さがありました。愛子も数多くの戦前から戦後の黄金期のよい時代劇映画を観ていますが、観た時はかなりの衝撃でした。2部があまりよくなかった分、内容的にも低迷した雰囲気から、あそこまで劇的に上手く展開や流れを持ち上げていけるものなのだろうか、目を疑った記憶が鮮烈にあり、東映ならでは上手い落差の躍動っぷりに感心しました。

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巨匠・マキノ雅弘が得意とした時代劇の有名題材”次郎長もの”の一つが「若き日の次郎長シリーズ」です。東映で全4作が作られましたが、「若き日の次郎長 東海の顔役」はその1作目です。東映チャンネルでは、最近になってようやくハイビジョン版は放送され、わたくしの録画し、観ています。東千代之介は主人公の清水の次郎長役の中村錦之助を手助けする重要な役柄で出演しています。巨匠・マキノ雅弘が形成した、独自な活劇的な時代劇の魅力が伺い知れます。

裏ブログ・軽めに攻めに責めた内容です⇒祝生誕90年・黄金期を支えた映画スター・東千代之介の真実。あの石原裕次郎や三船敏郎、渥美清を余裕で上回った大スター戦後の大スターから知る「マスコミの植えつけた活躍イメージは嘘だった件?!」

東千代之介と盟友・河野寿一との出会い


雪之丞変化の3部作”の監督はデビューして2年目の河野寿一が監督でした。河野寿一は、東映の時代劇映画で70作ほどの経験を経てから、1960年代にテレビに仕事を移し、「新選組血風録(1965)」や「用心棒シリーズ」の名作を中心で手がけることなっていきます。東映や日本のテレビ時代劇の発展に貢献した人物の1人です。

河野寿一と東千代之介は多少なりな縁がありました。どんなに活躍して、成功を収めたと認知された人間であっても、上手くいくときと上手くいかないときはある。東千代之介という俳優もさまざまな出会いや時代の流れを受け入れてきた俳優の1人でした。
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2016/08/02 17:38 | 洋画・探求COMMENT(0)TRACKBACK(0)  

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