未来のNZ ニュージーランド映画を背負う新鋭とヴィンセント・ウォードの十字架
前回はニュージーランド映画について取り上げましたが、せっかくの縁なのでさらに、独自な路線へ足を踏み込んでいきたいと思います。
ニュージーランド(New Zealand)はNew ZealandのNewとZealandの二つの頭文字をとってNZと略されているもの多く見かけます。個人的に気になるニュージーランド映画の今後を背負うかもしれない、ある監督に注目してみました。
前回記事⇒ニュージーランド映画と日本映画の歴史の極秘共通点【救急浮上若大将】
未来のNZことニュージーランド映画を背負う新鋭
トア・フレーザー(ToaFraser)という映画監督がニュージーランドに存在しています。彼は日本ではなかなか知られていない人物だと考えられます。何故なら日本公開作は監督1、脚本1だからです。でも映画愛子としてはこの人物に注目してみました。
トア・フレーザーは1975年にイギリス生まれてから1989年にニュージーランドへ移り住んで、2017年に数え年42歳、彼はある名優と関与を持つ人物であり、その部分はのちに話すとしますが、これらの履歴が未来の彼の活動に役立つことになります。
2017時点の映画の監督は6作、脚本のみは3作、テレビムービーの脚本は1作と本数や履歴は貧相ですが、40代前半のニュージーランドの映画監督としては十分な履歴の持ち主です。
なぜ、監督は6作、脚本のみは3作なのに十分な持ち主なのでしょうか。それはニュージーランドの映画市場は非常に小さく、海外の映画へ発信する方法のみしか、業界の発展がない現状があり、日本にように1国のみで業界が潤うことがないなど、大きく異なる環境が存在しているため、監督数5はある程度な本数だといえるかもしれません。
ピーター・ジャクソンはNZ映画において十分に多作のワケと一般長編監督世界最多の山田洋次
たとえばニュージーランド映画で有名なピーター・ジャクソンは現在の50代後半の時点、通産15作の映画を残しています。20本の大台まで届くのかは現時点では不明です。日本の現役15作だとした場合、監督の活動が娯楽方向かアート方向なのかにおいて、分かれるところもありますが、最低限な本数になってしまいますが、ニュージーランド映画では十分多作に含まれてしまいます。
日本の山田洋次は存命の先進国の一般長編監督では現役世界最多だと考えられる89作の映画を記録していますが、日本の歴代の映画監督の中で89作を残しても上位35名にさえ含まれません。それだけ日本映画の過去の大きな黄金期の遺産を感じさせられる部分です。つまり、山田洋次は日本ではそれほどではありませんが、ピーター・ジャクソンはニュージーランドで十分多作に含まれてしまいます。国の違いとは恐ろしい部分です。

山田洋次の分身とも言える「男はつらいよシリーズ」の主人公の車寅次郎は、日本喜劇映画の父、巨匠の斎藤寅次郎から名前が取られたことはあまりにも有名です。山田洋次の尊敬や敬意が込められています。
日本の現代における一般長編の現役監督は40作や50作ほどを残してようやく多作といえるでしょうが、ニュージーランド映画の歴史においては15作以上は十分に多作な方に含まれます。何故ならニュージーランドによる製作の映画はこの10年の年間公開作は8から11が基本環境だからです。
映画監督の多くが40代から50代をピークとしている場合が多く、トア・フレーザーに関しても現在の42歳からの10年ほどでもっとも本数を伸ばしやすい時期といえるでしょう。ある程度の流れに入れば10作、成功すれば15作も射程圏内です。
トア・フレーザーの監督デビューは2006年ですが、それ以前に脚本で評価を得ています。彼は年間10本ほどの公開が基本のニュージーランド映画の厳しい現状の中で経験を積むことが求められてきました。ニュージーランドのテレビドラマ監督のキース・ハンター(Keith Hunter)の作品で2000年に脚本家デビューしています。彼の数え年が25歳の時であり、脚本家としては若年のデビューといえます。
キース・ハンターの人物像について⇒今回のニュージーランド映画記事に山田洋次や 斎藤寅次郎の登場意味今回はある意味でかなり苦しみました。それが感じられる記事です。
トア・フレーザーはヴィンセント・ウォード(VincentWard)という人物も関与しています。この人は日本でも比較的知られている人物であり、おそらくはニュージーランドの映画界でも大きく知られています。日本では映画ファンの認知が多いでしょうが『ラストサムライ』 (2003)の製作総指揮を担当した人物としても知られています。
『ファイナル・ソルジャー』でにトア・フレーザーとヴィンセント・ウォードがクロス
2005年にニュージーランド映画の戦争映画『ファイナル・ソルジャー』(原題はRiverQueen)、これにトア・フレーザーが関与しています。
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俳優はキーファー・サザーランドらが出演し、監督はヴィンセント・ウォード、製作国はニュージーランド 、イギリスです。この映画において、先輩のヴィンセント・ウォードとトア・フレーザーらの共同脚本で映画に参加、ニュージーランド国内の観客動員と興行成績という面でよい結果を残しました。2006年のニュージーランドの映画とドラマを表彰する「ニュージーランドスクリーン賞」に7部門でノミネートされました。
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2017/11/02 00:04 | 洋画・探求 | COMMENT(1) | TRACKBACK(0)
コメント
今回記事とウラリンク先の話ですが、斎藤寅次郎が登場しています。彼は戦前から戦後にかけて日本映画歴代上位の200作以上の映画を残した大巨匠です。
テレビが取り上げないのは残念ですが、斎藤寅次郎の「斎藤」という字は「斉藤」という字ではありません。映画愛子自身も未だに間違えてしまいます。ややこしいところです。
No:137 2017/11/02 01:55 | 映画愛子 #- URL [ 編集 ]
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