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雷鳴のようにとどろいた伝説の俳優の隠された秘密を紐解く独自解釈

伝説の彼と彼女には、何かがあったのでしょうか?そう考えてしまうほどの相性のよさとは俳優同士にとって大切です。今回は彼と彼女について取り上げてみます。

市川雷蔵の特集は今回でラストとなります。その予定でしたが、膨大な文章量になり今回だけでは完結できません。3回目は映画愛子の独自な着眼点で研究してみました。雷蔵と、とある共演者について話してみます。市川雷蔵は戦後の日本の大スターの中でもっとも異色な大スターの俳優でした。

それは15年で共演した俳優の少なさにもあります。また、戦後の大スターの中で、主演の俳優やメインどころの俳優と共演した人数が一番に少ないのです。5社協定が可能にした部分も当然ありますが、突き抜けているので特出すべき特徴です。決して悪いことではなく、逆に珍しいということで、”個性と化している凄み”がこの点なのです。

雷蔵は、大映の映画専属俳優であった長谷川一夫勝新太郎山本富士子若尾文子黒川弥太郎などの主演やメインどころの代表する俳優と多く共演していましたが、とある女優とも共演が多いのです。
人肌孔雀」との姉妹作の「人肌牡丹」。2作とも雷蔵は、先輩の姉的な立場のスター女優であった山本富士子の相手役で準主役を勤めている。

嵯峨三智子という女優、ご存じでしょうか?すでに亡くなっています。いわずと知られたスター女優でした。しかし映画時代以降は映画にもドラマにも出演は控えて舞台の活動をメインとしていたのです。そのため活躍したほどの知名度がそこまでありません。嵯峨は、日本歴代で上位で入る大女優・山田五十鈴の娘で、80年代後半に母親よりも20年以上、先に亡くなり山田五十鈴は大いに悩み苦しんだといいます。

嵯峨三智子はトータルでは、松竹映画のスター女優でした。なぜならデビューした1953年の1年目は東映や東宝の映画にいくつか出演していました。2年目の1954年から1963年までの9年間は、松竹への出演が中心となりました。
そして、彼と彼女の運命の出会いが起こるのです。大映が雷蔵の相手役の女優を探した末、外部の女優ではあったものの、白羽の矢が刺さったのがこの人だったのです。雷蔵と嵯峨の共演は14作にのぼり、コンビが形成されました。詳しくは次回でさらに追求していきます。
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2014/08/27 18:28 | 未(235記事)COMMENT(1)TRACKBACK(0)  

わたしたち真の映画ファンの視界から、姿を消した彼の虚像

雷鳴のごとく形がなくとどろいて、雷のごとく物体がない凄みのある個性。それが彼しかできぬ、一番の個性だったに違いない。まさに芸名のごとくとどろき、形を見せることなくわたしたち映画ファンの視界から、姿を消した彼を尊敬します。そんな俳優は世界でもほとんどいません。

CS(スカパーなど)の時代劇専門チャンネルを見ている方はおなじみの番組企画「市川雷蔵時代劇全仕事」もほぼ放送が終了に近づいているものと思われます。すでに4年にわたり100本以上を全作品がハイビジョンで放送されています。雷蔵版”鞍馬天狗”の「新・鞍馬天狗」、「新・鞍馬天狗 五條坂の決闘」(ともに1965年に公開)の2作が8月10日と8月17日に放送(再放送もあり)されました。さらに今週には、「女と三悪人」が放送されます。映画愛子は全作品を録画しています。今年は日本映画専門チャンネルでも「市川雷蔵その魅力」なる特集が組まれています。既存放送された作品がほとんどです。現代劇にあまり放送されていない価値がある作品が放送されています。現代劇では放送されていない作品も今ではほとんどないです。生涯映画出演作のうち、159本中ほとんどが放送されていることになります。また、チャンネルNEKOでも2014年のデビュー60年を記念して「陸軍中野学校シリーズ」全5作をハイビジョン放送しています。

市川雷蔵という映画スターは異彩を放った大スター俳優でした。映画愛子も今まで何度も取り上げていますが、多彩で七変化とも言われる演技、作品のテーマや設定に対応する超人的な順応性は、日本の歴代スターの中でもナンバーワンであると熟知しています。それだけに”本当の意味でファンに愛された俳優”でした。それは流行によってもてはやされた俳優とは違い、確かな目があるファンが多い意味で愛されている部分もあります。なので古くならずに今でも光を放っています。

今回、東京の角川シネマ新宿ほかで上映されている「映画デビュー60周年 雷蔵祭 初恋」の開催には驚きました。驚いたわけとは「いや、ファンだけが理解してればいいんじゃないかな」ということです。映画ファンでない方はマスコミやイメージに流されてちゃんとした作品をご存知ない方が多数存在します。もちろん、それはそれで良いわけです。自由は当然、それも映画です。ですがそれではファンというレベルではないのも確かです。>雷蔵という”本当の俳優”はファンだけの間で愛されてきたからこそ良かった部分が存在するのです。こんな大スター俳優は、もう存在しません。今後も出ないでしょう。だからこそ、いとおしく大切にすべき存在なのです。
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2014/08/19 17:42 | 超大物俳優COMMENT(0)TRACKBACK(0)  

真の魂が宿った「稀代の銀幕男」は決して、死なない

あれから時代は変化した。しかし、変わらないものが本当に意味であることを教えてくれた男は世の中にはなかなかいない。低迷する芸能界。中心がタレントの時代になって堕落した時代だからからこそ、この男の出番が必要であろう。本当の銀幕スターはよみがえるのである。真の魂が宿った男は死なない。

市川雷蔵の没後45年が今年2014年である。たった15年間で代表作は軽く50作以上、主演125作強を誇った伝説の俳優である。時代劇中心に現代劇でも代表作が幅広くある。1969年、37歳の若さでこの世を去った彼の死により、本当の意味での、映画時代劇の全盛期は幕を閉じた。
雷蔵が今年デビュー60年の還暦になることにあたって、
映画デビュー60周年 雷蔵祭 初恋」が開催されています。戦後を、日本映画を代表する映画スターであった、市川雷蔵の大規模な上映の機会は極めて珍しく、東京の角川シネマ新宿ほかで上演されています。8月9日(土)から9月19日(金)までの約1ヶ月半の間、本当の映画ファンは暑く熱くなるはずです。ご存じない方も興味があれば是非と思いますが、”初恋”ということは女性限定のような感じがしてしまう。
映画愛子としては男性に観てほしい俳優でもあります。本当の意味でのプロの演技者を知り、男が男に惚れるという行為を感じてほしいものです。もちろんながら、ゲイやホモという意味ではありません。ホームページを見てみると親子割りなんていうものがあります。いやー親子でというかお子さんに理解ができるのだろうかと思ってはしまい苦笑してしまいました。失礼、お子様でも低俗なエンタメ作品にはない、真の魂が宿った特殊な世界を感じていただけるはずです。
興味がある方は、
こちらから飛べます⇒「映画デビュー60周年 雷蔵祭 初恋」

等身大スタンディや初恋メッセージボードや作品の貴重なポスターなど体感できる要素もあるようでファンも違う感覚で楽しめそうです。初恋スタンプラリーを実施していて10個ためると抽選でオリジナルグッズをプレゼント・・「って、もれなくではなく抽選なんですか、ってずいぶんケチですよね」
上映作は基本10時30分、13時、15時30分、18時30分の4度のスケジュールに分けられて、各時間ごとに別タイトルを3~4日間上映、3~4日ごとにタイトルが4タイトル更新を、13度にわたって繰り返す形です。

全47タイトルが上映されるのですが、愛子的に気になるタイトルを挙げてみます。「」と「剣鬼」です。1作目の「斬る」とあわせて、ゴールデンコンビであった三隅×雷蔵コンビの通称・剣3部作ともいわれるわけですが、「剣」は現代劇で三島由紀夫の原作であるのも特徴(「炎上」もそうですが)で、雷蔵が熱望して映画化が実現した作品といわれています。3作とも剣の描写を劇中にて、効果的な演出に結び付けている。大映らしい演出です。
何故にこのタイトルなのかというと、近年CSでは放送されていないタイトルだからです。すでに自宅で観ているタイトルの名作を劇場の最新技術や大スクリーンで他の観客と観るというのがファンの見方だと思います。そういう面で雷蔵ファンならさらに楽しめそうです。
*三隅=大映の映画監督で稀代の名匠・三隅研次
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2014/08/11 17:29 | 超大物俳優COMMENT(1)TRACKBACK(0)  

末路は悲劇か!繁栄か!隆盛を極めた2大演劇が映画をかけた。

巨星が実るも実らないも、やはり俳優から成るものである。それは演劇集団にとっても同じことで看板がいなければ、成り立たない。看板俳優はいつの時代も、どのジャンルにおいても大事なのである。映画と演劇の関わり、それは全盛期の映画界にとっては新鮮で斬新な新風であったのである。映画監督滝沢英輔と演劇との関わりを紐解く。

まずそれ以前にこの二つ。「おスミの持参金」「川上哲治物語 背番号16」はスカパーでも何度か放送がされている作品です。今までは、標準画質だった「川上哲治物語 背番号16」は、この前の放送で初ハイビジョン版が放送されました。タイトル通り、戦前からプロ野球巨人の大選手だった川上哲治が自ら出演しています。のちに監督でV9、”9年連続日本一の前人未踏の記録”を果たしました。滝沢英輔が監督し、二つも代表作となりました。

全盛期の映画界にとっては新鮮で斬新な新風。時代劇が中心であった日活(時期は1913年~1950年代にかけて)では、前進座俳優出演・新国劇俳優出演の時代劇で名作をいくつか残しました。前進座とは、1931年の創立時は歌舞伎を行う劇団で戦前から戦後に一世を風靡(ふうび)しましたが、創立80年以上が経過し現代ではさまだまな演劇が行われています。日本を代表する演劇集団の一つであります。
新国劇も前進座より前の1917年に活動を開始し、いくつかの演目、「月形半平太」「国定忠治」「大菩薩峠」などで大成功を収めて、戦前から戦後にかけて一世を風靡した劇団です。ですが、今は無くなるってしまいました。70年代の俳優不足や倒産により1987年に解団されました。その全盛期を支えた新国劇を代表する2大スター辰巳柳太朗島田正吾なのです。両者とも80歳を越すまで活躍し互いにライバル関係を保ち続けて大往生しました。新国劇は1930年代から1960年後半まで、40年近く二人が中心で支えた劇団でした。歌舞伎以外では、日本演劇史でも上位に入る舞台俳優の”歴代の大スター”ということです。
名匠・滝沢英輔が辰巳柳太朗や島田正吾らで新国劇の代表演目を映画化したのが名作といわれる「国定忠治(1954)」です。舞台の要素や味わいを大事にした作風の国定忠治である。それ以前から片岡千恵蔵(歴代1位の10作)や阪東妻三郎(6作)や尾上松之助(6作)などの映画俳優の大スターで、国定忠治の題材は何度も映画化されていましたが、新国劇の舞台作品とはだいぶ違うものであります。同じ演目的・題材作でも中身は全然違うのです。それが時代劇の本当の良さであり、深みでもある。それはそれぞれが確立していて、別物として良い。

忠臣蔵の映画と基本同じです。アメリカ映画などと違い、内容の筋ではない、ストーリーではない良い部分が多々ある。それが本当の時代劇の良さ。同じ、”国定忠治の題材映画”にも作風が違い空気感も違い、話も違い、視点が違い、俳優によってなど、さまざまな内容があるということです。今の視聴者の多くが、モノを捉え考えるレベルが低下しアメリカ映画の影響で”基本がストーリー映画である”という見方をしてしまっています。さまざまな面で作品を捉える力が欠如している方が多いようです。日本映画とアメリカ映画は上も下もなく本来の本質が違うものであるからです。人間の個々と同じで、ただ、個性が違うのです。

その後、滝沢監督は、その後1950年代後半以降も日活に在籍し青春若者系に路線を変更しても日活一筋を貫きました。
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2014/08/05 17:33 | 巨匠COMMENT(1)TRACKBACK(0)  

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