時代劇スターや声優の不思議・伝統芸能に伝説の俳優たちの面影
前回の記事→宮崎駿と高畑勲のアニメ界2大巨匠が日本アニメーションを墓場まで持っていく?
映画愛子・いちいちつっかかっていく姿勢を大切に
今回の記事内容に関しても、まとめサイトにように都合よく、内容が薄く、簡単に済ませてしまってもいいのですが、あえて時間はかけて”いちいち取り上げるところに大切さ”だと考えています。簡単に情報が得られるデジタルの時代だからこそ、不器用に歩もうと考えています。
前回までの日本アニメーションについての記事もほかにも書きたいことはありましたが、きりがない膨大さゆえに早めに切り上げてしまいました。いつか取り上げられなかった部分にも触れる機会があることを祈りながら次に進んでいきます。まだまだ若輩者ですが、いちいちつっかかっていく姿勢、それがこうしたブログのよさであると映画愛子としては信じています。
銀幕時代とアニメ時代の謎と不思議
映画全盛期、戦前の1930年代の時代劇6大スターが中心に日本の特色である時代劇、時代劇映画を形成され、戦後の日本映画の黄金期1950年代には最大の20名近いの巨匠が躍動し、数十名の映画スター、時代劇と現代劇の2大ジャンルの両立や多彩な映画ジャンルなどによって、年間の観客動員が10億人を数度も記録した最大の黄金期は1950年代から1960年までの期間で存在していました。
ドラマ時代劇は見やすさに重点をおいた部分あり、ナチュラルな弱い個性の演技になってしまい、作り声の要素も薄くなっていますが、映画全盛期の映画時代劇は今のアニメ時代と似ている不思議な関連があります。銀幕時代は現代のように芸能は親しみや共感が強くはなく、人々が生きるための希望、ヒーローや憧れの対象も映画の内容や映画スターの存在でした。声優と映画時代劇の演技は作り声においては大きな共通点がみられます。
数多くの年代の時代劇を観ている映画愛子からすると、特に”時代劇映画は演ずる”という要素が高く、声のよる特徴も大きなものであり、声優などの演技とも通じている部分を感じています。

時代劇六大スター(片岡千恵蔵、市川右太衛門、長谷川一夫、嵐寛寿郎、阪東妻三郎、大河内伝次郎)左から現代劇も含めて、主演数が多い順。
人形浄瑠璃文楽の太夫、義太夫節と時代劇スターや声優
日本には人形浄瑠璃文楽があり、約400年に及ぶ歴史を持つ伝統芸能が存在しています。太夫・三味線・人形が一体となった総合芸術ですが、この太夫が時代劇映画でいうと時代劇スター、アニメでいうと声優、三味線が音楽、人形がキャラクターと置き換えることができます。文楽は”義太夫節という語り”(時代劇スターや声優の演ずる演技)によって劇を展開させていきますが、この義太夫節は感情のない木でできた人形に、いかにして生命を吹きこむか、という声の演技が現在でいう声優と酷似しています。人形浄瑠璃文楽から影響を受けたのものには歌舞伎があります。
歌舞伎は日本の時代劇のジャンルの形成にも大きな影響を与えています。主にサイレント映画時代、剣戟映画(1910年代~1920年代が中心)剣戟映画は名の通り、ストーリーは設定としてのみの役割が強く、剣による立ち回りや動きを見せる部分を中心にした劇調の映画であり、歌舞伎の舞台劇からの影響がある説もあります。
時代劇スターや声優の不思議・伝統芸能に伝説の俳優たちの面影
時代劇スターや声優の不思議には伝統芸能である人形浄瑠璃文楽の太夫の声の演技についても関与しています。さらに歌舞伎です。剣戟映画時代を牽引した日本初の映画の大スター・尾上松之助(主に1910年代から20年代に活躍)は旅回りの歌舞伎俳優だったといわれています。また、松之助に大きく劣るものの、最大の好敵手ともいわれた沢村四朗五郎(主に1910年代から20年代に活躍)は、正規の歌舞伎俳優を辞めた初の映画の大スターでした。のちの時代劇スターなどの日本のスター俳優の概念に大きな影響を与えています。また、時代劇の形成に大きな役割を果たした時代劇六大スターのほとんどが歌舞伎俳優の流れを受けています。
人形浄瑠璃文楽と歌舞伎の二つは日本映画の形成に大きく関与し、二つの影響が日本映画の特に時代劇の映画やテレビドラマの黄金期、アニメのテレビや映画に引き継がれた部分が存在しています。
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アニメ映画の繁栄と実写映画の衰退の行方
映画は幅広い豊かさを国民に与え、現代までの強い日本を形成するために大きな貢献を果たしてきました。現在の日本映画の観客動員はアニメ映画が大きな影響力を持ち、アニメ映画の尽力のおかげで多少は観客動員が持ち直しています。今後の映画界はさらにアニメ映画が権力を持つようになり、さらに実写映画が衰退しく可能性さえあります。果たしてのちに振り返ったとき、この時代はアニメ映画繁栄と実写映画衰退の大きな境目となるのでしょうか。
2016/04/13 18:50 | 邦画・時代劇 | COMMENT(0) | TRACKBACK(0)