忠臣蔵映画の浅野内匠頭を形成した両名 史上怒涛の超頂上対決
「忠臣蔵映画の浅野内匠頭を形成した両名 史上怒涛の超頂上対決」と題してスタートです。
令和最後は忠臣蔵、やはり年末年始の恒例の意味と前回の流れです。
忠臣蔵映画は年始に公開されたことも多数あり、討入りまでが描かれる全通し物は、赤穂浪士が自分たちが討入りを成功させることから、本懐を遂げる、やり遂げる、目的を達成の縁起の良い、おめでたい意味を含んでいます。このことも年始に公開した理由です。観客に自分のやりたいことが遂げられるような良い1年を過ごしてほしいためです。
浅野内匠頭は現実には、性格の悪い暴君的な一面があったいう話も残されていますし、現実に大真面目で気難しいや感情が高ぶると歯止めが利かなく気性が荒くなるなど、性格に難がある風に描いている映画も存在しています。一方で討ち入られた吉良は、善良な人物で国元で民衆に人気が高く慕われていた藩主という話も残されています。
ですが現実は現実、あくまで映画は映画です。つながりは重要な別物でもあり、製作者の創作の脚色があることに”時代劇の「劇」の意味”があります。
多彩な内容が有ることが時代劇の大きな魅力です。時代劇の中心はアメリカやイギリス、中国、韓国などのように歴史劇の要素が強くなく、事実に敬意を払いながら上手にいじくる部分にもあるためです。例えば水戸黄門こと光圀の現実は、生涯でほとんど水戸から他国へ出ていませんが、日本中を旅をしたと描かれています。上手にいじくって共感と親しみを得て、映画とドラマの長期間で当たりました。
これは現代のアニメやマンガ、ゲームへ直接つながりがある日本特有の時代劇の面白さや優れた部分です。日本や海外で幅広く受け入れられている日本のアニメやマンガ、ゲームなどは先人からの引き継がれた概念や価値感、時代劇の影響が色濃いと考えています。
前回の記事
忠臣蔵映画の浅野内匠頭を形成した両名 映画史上の歴代頂上対決
忠臣蔵映画 赤穂浪士 浅野内匠頭水戸黄門 水戸光圀
嵐寛寿郎の『口笛を吹く武士』の浅野内匠頭役のワケ
嵐寛寿郎は1932年『口笛を吹く武士』で、清水狂太郎と、2役で初めて浅野内匠頭を演じています。
浅野内匠頭を2役で演じた理由は、ライバルの片岡千恵蔵を少なからず意識していたことが考えられます。浅野内匠頭は千恵蔵が演じた代表的役の一つで当たり役の一つ、映画やドラマ含む映像作品の中で歴代最多の通算13度演じています。嵐寛寿郎は評判が得られず、この映画の1度のみでした。
1932年『口笛を吹く武士』から6年ほど前、日本初の映画大スターの尾上松之助(大石役)が主演の日活オールスターキャスト&超大作1926年4月公開『実録忠臣蔵 天の巻 地の巻 人の巻』(196分、3時間16分、監督は巨匠・池田富保)においては、桂武男(小規模映画スター)が脇役で浅野を演じています。
池田富保は戦前の映画界で最多のオールスターキャストの映画を監督、大作も多数、その数は20作を越し戦前では世界1位です。
一方で村上喜剣(大石の吉良方を騙すための嘘の豪遊に殴りこんだ男、赤穂浪士の死後に泉岳寺の場面も描かれる場合と赤穂義士の一面も、忠臣蔵映画や映像作品には登場する場合と登場しない場合がある)と小林平八郎(吉良側の主要の有名な剣客)の2役の河部五郎や大石主税(大石の長子)の市川市丸は浅野よりも上位の助演扱いです。この頃の浅野はあまり役柄的な人気がなかったことを物語っています。2役の河部五郎は松之助の後輩として格別な待遇であり、当時の日活は浅野の桂武男よりも大石主税の市川市丸に期待としていたともいえます。
この頃までは浅野内匠頭を演じた若手の時代劇スターに突き抜けた大物はいなく、活躍を期待している俳優がほぼ全体でした。ですが、その後、ある大きな変化が生まれていきます。
嵐寛寿郎 清水狂太郎 片岡千恵蔵 口笛を吹く武士 尾上松之助 日活オールスターキャスト 実録忠臣蔵 天の巻 地の巻 人の巻 池田富保 村上喜剣 泉岳寺 赤穂義士 河部五郎 桂武男 大石主税 市川市丸 時代劇スター 小林平八郎
『実録忠臣蔵 天の巻 地の巻 人の巻』に出演した桂武男と市川市丸と河部五郎
桂武男=通産では名優や大スターというほどの大きな活躍はできなかったが、当時の日活のが大きく売り出したが、主演代表作は数本に留まる、ヒロイン女優の桜木梅子と結婚が有名
市川市丸=日活からの期待は高く、助演の大役を数度任される。いくつかの主演代表作と有名作に出演のみに留まる。特に大河内傳次郎主演の名作『忠次旅日記 甲州殺陣篇』の2番手が有名、桂武男よりは代表作が数本多くの活躍
河部五郎=一次的に1920年代後半に正式デビューの千恵蔵のライバル的な大活躍をみせたが、たった数年のピークに留まるものの、短期間としては膨大な代表作の恵まれた。主演の代表作映画は修羅八荒6部作、競合の砂絵呪縛3部作、江戸三国志3部作、月形半平太(1926)など通産15作以上を記録、通産映画主演は50作を越す。桂や市川よりも主演で大きく活躍、
1930年代後半からの日活新体制のチエゾウ、アラカン、バンツマの三大スターの助演や脇役でも十本以上のヒット作や名作に出演した名優、戦後の東映の千恵蔵映画の遠山の金さん(いれずみ判官)シリーズの7作などの端役でも知られる。主演、主要、助演と端役の四方向で一定以上の活躍、長期間で常に千恵蔵と縁がある映画人生でした。
千恵蔵と名優の河部五郎の遠山の金さん(いれずみ判官)シリーズの全共演7作 全て東映京都の制作 東映の配給
1952『飛びっちょ判官』
1954『血ざくら判官』
1955『喧嘩奉行』
1955『荒獅子判官』
1956『長脇差奉行』
1957『はやぶさ奉行』
1958『火の玉奉行』
1920年代頃までは、大石内蔵之助を主人公とした忠臣蔵映画の浅野内匠頭は、最高でも上位の助演のレベルまででしたが、1920年代後半から国民的人気を博していた、浅野内匠頭役のナンバーワン俳優の片岡千恵蔵やそのライバルの長谷川一夫の両名が1930年代に現役の国民的映画スターが演じたことで、助演が多かった浅野の役柄の格上げを実現し、主演や2番手や前編の主演として描かれる忠臣蔵映画が増えていきました。この2人は事実上の浅野内匠頭という役柄を忠臣蔵映画において、直接的な格上げを行った貢献があり、この映画概念の時代劇を作ったといえるでしょう。
桜木梅子 大河内傳次郎 忠次旅日記 甲州殺陣篇 遠山の金さん 大石内蔵之助 長谷川一夫
現在へ続く浅野内匠頭の忠臣蔵の上位の役柄は歴代の映画二大時代スターが形成
浅野内匠頭二大俳優の浅野内匠頭の主演や前編主演、主要の代表例
片岡千恵蔵編 9作
1930『元録快挙 大忠臣蔵 天変の巻 地動の巻』 日活 浅野内匠頭(天変の巻の主演) 大石は大河内傳次郎 ・大ヒット
1933『堀田隼人』 千恵プロ、配給は日活 堀田隼人(主演)、浅野内匠頭(主要)の2役 108分 監督の伊藤大輔の名作
1934『忠臣蔵 刃傷篇 復讐篇』 日活 浅野内匠頭(刃傷篇の主演)、岡野金右衛門(復讐篇の主要)=2役 大石は大河内 ・大ヒット
1937『浅野内匠頭』 千恵プロ、配給は日活 浅野内匠頭=片岡千恵蔵 ヒットとあり
1938『忠臣蔵 天の巻』 日活 浅野内匠頭 『忠臣蔵 天の卷 地の卷』の前編 大石は阪東妻三郎 ・大ヒット
1938『忠臣蔵 天の巻 地の巻(総集編)』 日活 浅野内匠頭(天の巻の主演)、立花左近(後半の2番手) 大石は阪妻
1944『高田馬場前後』 大映 浅野内匠頭 中山安兵衛の嵐寛寿郎とダブル主演
1952『赤穂城』 東映 浅野内匠頭、大石内蔵之助=2役 赤穂城3部作の1作目 ・ヒット
1952『続赤穂城』 東映 浅野内匠頭、大石内蔵之助 主演 ・ヒット
長谷川一夫編 3作
1932『忠臣蔵 前篇 赤穂京の巻』 松竹 浅野内匠頭長矩(主要) 大石は阪東寿三郎 ・ヒット 林長二郎名義
1939『浪人吹雪(1939)』 東宝 不破数右衛門(主演)、浅野内匠頭(主要)の2役 長谷川一夫名義
1939『忠臣蔵 前篇』 東宝 浅野内匠頭(前篇の主演) 大石は大河内 ・ヒット 長谷川一夫名義
オールスターのみ 浅野内匠頭二大俳優の浅野内匠頭の主演や前編主演、主要の代表例
片岡千恵蔵編 5作
1930『元録快挙 大忠臣蔵 天変の巻 地動の巻』 日活 浅野内匠頭(天変の巻の主演) 大石は大河内傳次郎 ・大ヒット
1934『忠臣蔵 刃傷篇 復讐篇』 日活 浅野内匠頭(刃傷篇の主演)、岡野金右衛門(復讐篇の主要)=2役 大石は大河内 ・大ヒット
1938『忠臣蔵 天の巻』 日活 浅野内匠頭 『忠臣蔵 天の卷 地の卷』の前編 大石は阪東妻三郎 ・大ヒット
1952『赤穂城』 東映 浅野内匠頭、大石内蔵之助=2役 赤穂城3部作の1作目 ・ヒット
1952『続赤穂城』 東映 浅野内匠頭、大石内蔵之助 主演 ・ヒット
長谷川一夫編 2作
1932『忠臣蔵 前篇 赤穂京の巻』 松竹 浅野内匠頭長矩(主要) 大石は阪東寿三郎 ・ヒット 林長二郎名義
1939『忠臣蔵 前篇』 東宝 浅野内匠頭(前篇の主演) 大石は大河内 ・ヒット 長谷川一夫名義
それぞれの個性はあるが、やはり片岡千恵蔵のほうが浅野と同時に演じた2役も多彩、内容も多様で幅広く、演技者としても優れていたことがわかりますし、後世への影響という面でも非常に圧倒的だとわかります。純粋に本数と大ヒットやヒットの本数が桁違いです。正直比べることもおかしいレベルです。長谷川一夫の名誉のためにも一言添えておきますが、浅野役の代表的な作品が3作あるだけでも十分に素晴らしい実積、この時点で歴代上位、ただ相手が悪かった。
とあるサイトでは間違えてデータが残されていますが、1932『忠臣蔵 前篇 赤穂京の巻』 の大石を演じた関西歌舞伎の重鎮として知られる阪東寿三郎と、時代劇映画の大スターの阪東妻三郎はまったくの別人です。名前が似ているだけです。
さらに1937『浅野内匠頭』で浅野における単独主演、これは事実上のこの役における最初の単独主演でした。長谷川一夫はこれが1作も存在していません。この時点で一つのレジェンドです。「浅野内匠頭二大俳優の浅野内匠頭の主演や前編主演、主要の代表例」からだけでも、オールスターだけでなく、それ以外の作品の両方で4、本以上の評価やヒットしているのが千恵蔵です。ほぼ全てで2倍から3倍の圧倒的な差といえるでしょう。
ダブル主演で前編の主演を演じた作品が歴代最多数、代表的なものが、1930『元録快挙 大忠臣蔵 天変の巻 地動の巻』 は天変の巻の主演、これは日活の超大作&大オールスターとして制作され、大ヒット、さらに1934『忠臣蔵 刃傷篇 復讐篇』も日活の超大作&大オールスターとして制作されて大ヒット、1938年の『忠臣蔵 天の卷 地の卷』もバンツマ、チエゾウ、アラカンの三大国民的スターをはじめとするオールスター、大ヒット&戦前の忠臣蔵映画の最大の名作ともいわれています。
『忠臣蔵 天の卷 地の卷』は何度も改良版(新編や新版)が20年近くかけて公開されて、現在も視聴可能な『忠臣蔵 天の巻 地の巻(総集編)』が制作されています。ダブル主演で前編の主演を演じた作品が歴代最多数の3作、別バージョンや現存を含めると10つです。
長谷川一夫(松竹から東宝へ移籍した1930年代後半に林長二郎から改名)は1932『忠臣蔵 前篇 赤穂京の巻』 松竹 浅野内匠頭長矩(主要) 大石は阪東寿三郎と1939『忠臣蔵 前篇』 東宝 浅野内匠頭(前篇の主演)の2作です。別バージョンや現存を含めない本数のオールスターのみの元作のみだと、5対2で差が大きく地被いて千恵蔵と3本差です。ここがもっとも2人の浅野が競り合った部分です。
![忠臣蔵/天の巻,地の巻 [VHS]](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/51RuqdLq-QL.jpg)
忠臣蔵/天の巻,地の巻 [VHS]
貴重なVHS版の『忠臣蔵 天の卷 地の卷』、入手困難なこちらのほうが魅力的です。
上記の左側の文面に阪東妻三郎、片岡千恵蔵、月形龍之介、沢村国太郎(澤村國太郎)、そして嵐寛寿郎、かつてのマキノ出身の大スターが・・・と記されています。天の巻=マキノ正博(のちのマキノ雅弘)、地の巻=池田富保のダブル監督
左面の最上部の写真は刀傷直後のシーンですが、斬りつけられた吉良上野介役の大名優の山本嘉一と一渇をするために間に入った脇坂淡路守役の嵐寛寿郎が映っていることが確認できます。
山本嘉一は1910年代の尾上松之助と日活の創立時からの盟友、日活の現代劇のベテランの主演スターして活躍後、松之助の没後に若手の指導も含めて時代劇俳優メインへ転向、時代劇は主演の大久保彦左衛門(千恵蔵の一心太助の助演と主演の両方でヒット)や水戸黄門、助演は吉良上野介、現代劇は主演の乃木将軍が代表的な役柄です。
吉良上野介も数度演じました。『忠臣蔵 天の卷 地の卷』から10年ほど前の1926年4月公開『実録忠臣蔵 天の巻 地の巻 人の巻』でも吉良を演じています。戦前の日活を支えた大物の重鎮俳優です。
元録快挙 大忠臣蔵 天変の巻 地動の巻 忠臣蔵 刃傷篇 復讐篇 忠臣蔵 天の卷 地の卷 三大国民的スター 戦前の忠臣蔵映画の最大の名作 マキノ雅弘 マキノ正博
忠臣蔵 天の巻 地の巻(総集編) 林長二郎 忠臣蔵 前篇 赤穂京の巻 阪東寿三郎 月形龍之介 沢村国太郎 澤村國太郎 刀傷直後 脇坂淡路守 山本嘉一 大久保彦左衛門 乃木将軍 吉良上野介 忠臣蔵 刃傷篇 復讐篇
片岡千恵蔵と全ての浅野内匠頭映画17本
数え方にもよりますが全部で17つが確認できます。
片岡千恵蔵と全ての浅野内匠頭映画17本 2019.12時点
1930『元録快挙 大忠臣蔵 天変の巻 地動の巻』 浅野内匠頭 ・大ヒット
1930『元禄快挙 大忠臣蔵 天変の巻 地動の巻(断片版)』 浅野内匠頭
1933『堀田隼人』 堀田隼人(主演)、浅野内匠頭(主要)の2役 108分 名作といわれる作品
1933『堀田隼人』(現存1分版) 堀田隼人(主演)、浅野内匠頭(主要)の2役
1934『忠臣蔵 刃傷篇 復讐篇』 浅野内匠頭、岡野金右衛門 ・大ヒット 初トーキー(音楽と音声有)
5
1937『浅野内匠頭』 浅野内匠頭 主演 新春映画でヒットと記録
1938『忠臣蔵 天の巻』 浅野内匠頭 ・大ヒット 主演 通しの『忠臣蔵 天の卷 地の巻』としては171分
1938『忠臣蔵 天の卷 地の巻』(3分尺の断片版)浅野内匠頭、立花左近 主演と助演
1938『忠臣蔵 天の卷 地の巻』(1分以下の断片版) 浅野内匠頭、立花左近 主演と助演
1938『忠臣蔵 天の卷 地の卷(総集編)』日活所蔵版 101分 オープニング装飾○ 浅野内匠頭、立花左近 主演と助演
10
1938『忠臣蔵 天の巻 地の巻(総集篇)』マツダ映画社版 102分 オープニング装飾× 浅野内匠頭、立花左近 主演と助演
1941『忠臣蔵 天の巻 新篇(前編)』 浅野内匠頭 主演
1944『高田馬場前後』 浅野内匠頭 主演 嵐寛寿郎とダブル主演
1952『赤穂城』 浅野内匠頭、大石内蔵之助 主演 ヒット
1952『続赤穂城』 浅野内匠頭、大石内蔵之助 主演 ヒット
15
1953『初祝二刀流(高田馬場前後の改題、改修)』 浅野内匠頭 嵐寛寿郎とダブル主演
1956『忠臣蔵 天の巻 新版(前編)』 浅野内匠頭 主演
17
1938『忠臣蔵 天の卷 地の卷(総集編)』日活所蔵版101分と1938『忠臣蔵 天の巻 地の巻(総集篇)』マツダ映画社版102分の両方とも視聴済みです。全体で装飾の印象を背負うからでしょうか、日活所蔵版のほうが視聴していて豪華な感じがします。映画デビュー前からの盟友の嵐寛寿郎とダブル主演した大映の1944『高田馬場前後』、東映の1952『赤穂城』においては大役の浅野内匠頭と大石内蔵之助の2役を主演で演じています。
片岡千恵蔵と長谷川一夫は同じ時代劇六大スターに数えられる最大のライバルの2名で、戦前から女性人気や端正な顔立ち、互いは浅野内匠頭役でも競い合いがあり、女性人気は長谷川のほうが上だったわけですが、男性人気は千恵蔵のほうが上、浅野役の映画においては完全に千恵蔵でした。映画主演数350作ほどの千恵蔵、主演作270作ほどの長谷川一夫、現代への影響力、代表作本数、当たり役数や名作数や通産観客動員や映画賞数も千恵蔵のほうが格上です。
さらに戦後の日本映画最大の黄金期はライバル映画会社の東映と大映のトップ俳優として競いました。結果はいうまでもなく、重役兼映画スターの千恵蔵の東映が大手6社の中で7年連続1位を記録し、会社の映画の路線違い(東映は娯楽方向、大映は芸術的)の部分においてを含めなければ、完全に圧勝でした。
時代劇六大スター
忠臣蔵映画「赤穂城三部作」と深作欣二
実は千恵蔵の『赤穂城』などの忠臣蔵映画「赤穂城三部作」はのちの1978年『赤穂城断絶』として、だいぶいじくられてはいますが、これも時代劇、事実上の『赤穂城』の再映画化がされています。主演の大石役の俳優は千恵蔵の直属の後輩の萬屋錦之介です。これも1970年代の時代劇映画としては大ヒット(現実は年間ベスト10に入らない最低限なヒット程度)を記録したと、東映側がCS放送などで伝えています。

深作欣二の時代劇映画は現代劇とつながりがあるわけで、暴力的な過激さと刺激的さをはらんでいますが、無理やりなアクションと畳みの上の演技などのバランスが悪く、これが好きな人もいるのでしょうが、歴代の時代劇に詳しいことも影響するのでしょうが、個人的にあまり好きではありません。現実にアクションは時代劇とはなかなか合いません。
1978年『柳生一族の陰謀』も同様で、若手俳優とベテランの演技に偏ったムラがありすぎますし、部分的になら悪くは無いですが、全体としては違和感が多めです。彼は現代劇監督としては一定の評価をしています。
しかし、『仁義なき戦い』主演の菅原文太ならわかるのですが、彼が一番このシリーズに貢献していますし、出番も突き抜けて多い、これは当たり前です。脇役なのに松方弘樹と梅宮辰夫の死のとき『仁義なき戦い』を1番の代表作として紹介させるとは、東映やD通(長時間労働が改善させていないニュースはテレビでほとんど報じられずの異常事態、某ニコニコ生放送の「ブラック企業大賞2019 授賞式」内で視聴者2位&ブラック企業に認定)、テレビの電波各社は一体どうなってるんでしょうか。
ちなみにNHKニュースもこれでした。ほんとにひどい、映画を知らない無恥な大半の人は、あれを鵜呑みにして信じてしまう、人の死を利用した各社の広告ニュースのでっちあげを信じてしまう、映画好きとしては非常に悲しく頭を痛めています。深作欣二が悪いわけではないのですが、相変わらずマスコミの困った事態です。
『仁義なき戦い』の最大の単発ヒットは初期の200万人強、そこまでヒットさえしていませんし、そこまで大名作でもありません。なのにマスコミがことあるたびにガンガン持ち上げている題材です。流す過去も現代も映画情報はもうめちゃくちゃです。東映の忠臣蔵映画は3本が軽く1000万人越していますから200万くらい全然です。これが真実です。
赤穂城三部作 仁義なき戦い 深作欣二 D通 マスコミ 赤穂城断絶 柳生一族の陰謀 菅原文太 松方弘樹 梅宮辰夫 ニコニコ生放送 ブラック企業 ブラック企業大賞2019 授賞式 NHKニュース 萬屋錦之介
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何があるにしても、忠臣蔵は過去の先人たちのおかげで成り立つからこそ、300作以上の映画が112年間の1世紀以上で作られてきています。今後もゲーム(スマホ、同人PC、テレビ)やマンガ、アニメ、ドラマ、歌舞伎、舞台、音楽だけではなく、映画として上手い意味で、変化が求められていくことでしょう。
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2019/12/30 20:13 | 邦画の探求 | COMMENT(1) | TRACKBACK(0)