映画史転覆への序章・国民的NHK放送から膨大なヒット映画たちが作られていた
前回に引き続いて、ラジオと映画の仰天真実に迫ることになりました。今回もかなり大変な手間がかかってしまいました。すごく深い部分です。テレビやマスコミがちゃんと取り上げていない映画史の真実の扉に今、鍵がかけられようとしています。
前回記事⇒NHKラジオ連続放送劇映画の脅威・観客動員3000万人と原作×作曲家の名コンビの驚愕
「新諸国物語」は1952年から1957年にかけて連続放送劇(現在で言うとラジオドラマのような位置付け)、原作・北村寿夫(きたむらひさお)です。北村寿夫は現代はあまり取り上げられる機会が減少してしまった有名作家です。
児童文学作家でもあり、児童向けの時代劇小説の「新諸国物語シリーズ」は大きな代表作になりました。原作はの新諸国物語は「白鳥の騎士」「笛吹童子」 「紅孔雀」 「オテナの塔」 「七つの誓い」「天の鶯(うぐいす)」 「黄金孔雀城」のエピソードが書かれています。
前回の記事の菊田一夫のように幅広い方面での活躍がなかったことはありますが、菊田一夫と同様にいくつかの方面で映像化され、いくつかの面において大きな痕跡を残しています。現在の60代から70代の世代にとってこの作品は国民的に知られている作品です。子供のときにラジオや映画、テレビドラマで何度も映像化されました、また、1970年代には「新諸国物語」の人形劇がNHKのテレビで放送されて好評を得ており、50代以上の世代にも認識されている作品です。
この連続放送劇「新諸国物語」の映画は冒険活劇時代劇ともいわれ、東映の東千代之介や中村錦之助などによるシリーズが特に有名ですが、新東宝で1作、東宝も2作作られています。番外編的な位置づけのシリーズも含めるとさらに膨大な作数作られています。
一人の作家のシリーズや派生の映画や時代劇映画シリーズとしては、次回で細かくは明らかにしますが多くの作品が作られています。一人の作家の映像化数では戦前からのシャーロックホームズや鞍馬天狗などには全然及ばないものの、戦後では世界上位にランクインされる通算のシリーズ数です。膨大な量や情報ため、今回と次回にわけてご覧の皆様と真実の扉をこじ開けて行きたいと考えています。
原作・「 タイトル 」
映像化数 公開年数 映画タイトル 映画会社
主な出演者 監督
・特徴解説
~~~~~~~~~~~~~
原作・「新諸国物語 白鳥の騎士」
1 1953 白鳥の騎士 新東宝
出演=橘ノ夕霧丸・大友柳太朗 丹波ノ雄麿・三原純、羅生丸・田崎潤
軽部ノ黒主・阿部九洲男 関白藤原公・広瀬恒美 監督=組田影造
・新東宝で製作された事実上の連続放送劇・新諸国物語の映画の通算では記念すべき1作目にあたる作品。現在でも残念ながらCS放送でも再放送がされていない状況です。
原作・「新諸国物語 笛吹童子」
2 1954 新諸国物語 笛吹童子 第一部どくろの旗 東映京都
3 1954 新諸国物語 笛吹童子 第二部幼術の闘争 東映京都
4 1954 新諸国物語 笛吹童子 第三部満月城の凱歌 東映京都
出演=萩丸・東千代之介、菊丸・中村錦之助(萬屋錦之介)、霧の小次郎・大友柳太朗
赤柿玄蕃・月形龍之介 桔梗・田代百合子、胡蝶尼・高千穂ひづる 監督=萩原遼
・新諸国物語の映画化は2作目以降になるが、東映版の映画化シリーズでは、1作目から3作目となる「新諸国物語 笛吹童子」の3部作であり、”戦後の時代劇映画のナンバーワン会社だった東映”にとっても大きなヒットシリーズの幕開けとなる。さらに東映は大人だけではなく、子供へも時代劇のイメージを強くさせることにつながっていきます。
1954年のデビュー当時の新人映画スター・東千代之介と中村錦之助の名コンビで子供たちを中心に映画も大ブレイクを果たした。この二人は新諸国物語の流れを受けて1950年代を代表する映画スターへの道を躍進することになります。
![新諸国物語 「笛吹童子」 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61kMiWkYACL.jpg)
新諸国物語 「笛吹童子」 [DVD]
原作・「新諸国物語の笛吹童子の番外編1・霧の小次郎」
5 1954 霧の小次郎 第一部 金龍銀虎 東映京都
6 1954 霧の小次郎 第二部 魔術妖術 東映京都
7 1954 霧の小次郎 完結篇 三日月童子 東映京都
出演=霧の小次郎・大友柳太朗、三日月童子・東千代之介
胡蝶尼・高千穂ひづる 足利義光・立松晃、足利富子・日野明子 監督=佐伯清
・「新諸国物語 笛吹童子」の大ヒットを受けて脇役だった、霧の小次郎を主演として製作された番外編3部作。大友柳太朗は「新諸国物語 笛吹童子」3部作の脇役で3度、本作の「霧の小次郎」3部作で主役で3作の通算6作で霧の小次郎を演じて、新東宝の初映像化の「白鳥の騎士」を含めると大友柳太朗は7作の新諸国物語の映画化シリーズに出演しています。
大友柳太朗は映画では主演・快傑黒頭巾9度、大友版・右門捕物帖の近藤右門7作、大友版・丹下左膳5作の代表作がありますが、それらに次いで自身の映画の代表的な役の一つとなったのが霧の小次郎といえます。新諸国物語は映画の大スター・大友柳太朗を語る上でも欠かせない作品や役柄があります。
原作・「新諸国物語の笛吹童子の番外編2・三日月童子」
8 1954 三日月童子 第一篇 剣雲槍ぶすま 東映京都
9 1954 三日月童子 第二篇 天馬空を征く 東映京都
10 1954 三日月童子 完結篇 万里の魔境 東映京都
出演=三日月童子・東千代之介、千鶴・千原しのぶ、加々見大五郎・吉田義夫
細川春武・大泉滉、三日月童子(少年時代 )・山手弘 監督=小沢茂弘
・「新諸国物語 笛吹童子」の大ヒットを受けて製作された「霧の小次郎」の3部作と関連した番外編2作目に位置づけられる。「三日月童子」の3部作、「霧の小次郎」の3部作の相手役だった三日月童子が主演。
原作・「新諸国物語 紅孔雀」
11 1954 新諸国物語 紅孔雀 第一篇 東映京都
12 1955 新諸国物語 紅孔雀 第二篇 呪いの魔笛 東映京都
13 1955 新諸国物語 紅孔雀 第三篇 月の白骨城 東映京都
14 1955 新諸国物語 紅孔雀 第四篇 剣盲浮寝丸 東映京都
15 1955 新諸国物語 紅孔雀 完結篇 廃墟の秘宝 東映京都
出演=那智の小四郎・中村錦之助、浮寝丸・東千代之介
主水・大友柳太朗、小六こと風小僧・山手弘 、美・高千穂ひづる 監督=萩原遼
・「新諸国物語 笛吹童子」の大ヒットを受けて製作された冒険活劇時代劇シリーズ、新諸国物語 紅孔雀は5部作が製作されて再び大きなヒットを記録して映画界に新諸国物語シリーズの名をさらに深く残ることになりました。
原作・「新諸国物語 オテナの塔」
16 1955 新諸国物語 オテナの塔 前篇 東宝
17 1956 新諸国物語 オテナの塔 後篇 東宝
出演=小源太・中村扇雀(現・四代目坂田藤十郎) 三郎次・山田真二
夜泣丸・嵐寛寿郎 六太夫・市川小太夫、千鳥・青山京子 監督=安田公義
東映以外では2度目の映像化、作品自体はあまり有名ではないですが、原作が有名な「新諸国物語 オテナの塔」。東宝=宝塚映画で製作・配給がされた作品で、2015年にCS放送で放送され、わたくし愛子も録画しています。2016年時点で現役の歌舞伎の人間国宝・坂田藤十郎がまだ、若いときに中村扇雀と名乗っていたころの青年さも知ることができる貴重な主演作です。歴代の映画スター&時代劇スターの嵐寛寿郎も脇役で出演しています。この頃の嵐寛寿郎こと愛称・アラカンは、戦前から演じてきた主演の鞍馬天狗が1956年、右門捕物帳シリーズが1955年に終了し、徐々に助演が増えてきた時期でもあり、脇役の階段を徐々に上がっています。
前回記事⇒NHKラジオ連続放送劇映画の脅威・観客動員3000万人と原作×作曲家の名コンビの驚愕
連続放送劇げ切り開いた冒険活劇時代劇
「新諸国物語」は1952年から1957年にかけて連続放送劇(現在で言うとラジオドラマのような位置付け)、原作・北村寿夫(きたむらひさお)です。北村寿夫は現代はあまり取り上げられる機会が減少してしまった有名作家です。
児童文学作家でもあり、児童向けの時代劇小説の「新諸国物語シリーズ」は大きな代表作になりました。原作はの新諸国物語は「白鳥の騎士」「笛吹童子」 「紅孔雀」 「オテナの塔」 「七つの誓い」「天の鶯(うぐいす)」 「黄金孔雀城」のエピソードが書かれています。
前回の記事の菊田一夫のように幅広い方面での活躍がなかったことはありますが、菊田一夫と同様にいくつかの方面で映像化され、いくつかの面において大きな痕跡を残しています。現在の60代から70代の世代にとってこの作品は国民的に知られている作品です。子供のときにラジオや映画、テレビドラマで何度も映像化されました、また、1970年代には「新諸国物語」の人形劇がNHKのテレビで放送されて好評を得ており、50代以上の世代にも認識されている作品です。
この連続放送劇「新諸国物語」の映画は冒険活劇時代劇ともいわれ、東映の東千代之介や中村錦之助などによるシリーズが特に有名ですが、新東宝で1作、東宝も2作作られています。番外編的な位置づけのシリーズも含めるとさらに膨大な作数作られています。
一人の作家のシリーズや派生の映画や時代劇映画シリーズとしては、次回で細かくは明らかにしますが多くの作品が作られています。一人の作家の映像化数では戦前からのシャーロックホームズや鞍馬天狗などには全然及ばないものの、戦後では世界上位にランクインされる通算のシリーズ数です。膨大な量や情報ため、今回と次回にわけてご覧の皆様と真実の扉をこじ開けて行きたいと考えています。
新諸国物語の映画化された作品たちパート1(1~7作目)
原作・「 タイトル 」
映像化数 公開年数 映画タイトル 映画会社
主な出演者 監督
・特徴解説
~~~~~~~~~~~~~
原作・「新諸国物語 白鳥の騎士」
1 1953 白鳥の騎士 新東宝
出演=橘ノ夕霧丸・大友柳太朗 丹波ノ雄麿・三原純、羅生丸・田崎潤
軽部ノ黒主・阿部九洲男 関白藤原公・広瀬恒美 監督=組田影造
・新東宝で製作された事実上の連続放送劇・新諸国物語の映画の通算では記念すべき1作目にあたる作品。現在でも残念ながらCS放送でも再放送がされていない状況です。
原作・「新諸国物語 笛吹童子」
2 1954 新諸国物語 笛吹童子 第一部どくろの旗 東映京都
3 1954 新諸国物語 笛吹童子 第二部幼術の闘争 東映京都
4 1954 新諸国物語 笛吹童子 第三部満月城の凱歌 東映京都
出演=萩丸・東千代之介、菊丸・中村錦之助(萬屋錦之介)、霧の小次郎・大友柳太朗
赤柿玄蕃・月形龍之介 桔梗・田代百合子、胡蝶尼・高千穂ひづる 監督=萩原遼
・新諸国物語の映画化は2作目以降になるが、東映版の映画化シリーズでは、1作目から3作目となる「新諸国物語 笛吹童子」の3部作であり、”戦後の時代劇映画のナンバーワン会社だった東映”にとっても大きなヒットシリーズの幕開けとなる。さらに東映は大人だけではなく、子供へも時代劇のイメージを強くさせることにつながっていきます。
1954年のデビュー当時の新人映画スター・東千代之介と中村錦之助の名コンビで子供たちを中心に映画も大ブレイクを果たした。この二人は新諸国物語の流れを受けて1950年代を代表する映画スターへの道を躍進することになります。
![新諸国物語 「笛吹童子」 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/61kMiWkYACL.jpg)
新諸国物語 「笛吹童子」 [DVD]
原作・「新諸国物語の笛吹童子の番外編1・霧の小次郎」
5 1954 霧の小次郎 第一部 金龍銀虎 東映京都
6 1954 霧の小次郎 第二部 魔術妖術 東映京都
7 1954 霧の小次郎 完結篇 三日月童子 東映京都
出演=霧の小次郎・大友柳太朗、三日月童子・東千代之介
胡蝶尼・高千穂ひづる 足利義光・立松晃、足利富子・日野明子 監督=佐伯清
・「新諸国物語 笛吹童子」の大ヒットを受けて脇役だった、霧の小次郎を主演として製作された番外編3部作。大友柳太朗は「新諸国物語 笛吹童子」3部作の脇役で3度、本作の「霧の小次郎」3部作で主役で3作の通算6作で霧の小次郎を演じて、新東宝の初映像化の「白鳥の騎士」を含めると大友柳太朗は7作の新諸国物語の映画化シリーズに出演しています。
大友柳太朗は映画では主演・快傑黒頭巾9度、大友版・右門捕物帖の近藤右門7作、大友版・丹下左膳5作の代表作がありますが、それらに次いで自身の映画の代表的な役の一つとなったのが霧の小次郎といえます。新諸国物語は映画の大スター・大友柳太朗を語る上でも欠かせない作品や役柄があります。
新諸国物語の映画化された作品たちパート2(8~17作目)
原作・「新諸国物語の笛吹童子の番外編2・三日月童子」
8 1954 三日月童子 第一篇 剣雲槍ぶすま 東映京都
9 1954 三日月童子 第二篇 天馬空を征く 東映京都
10 1954 三日月童子 完結篇 万里の魔境 東映京都
出演=三日月童子・東千代之介、千鶴・千原しのぶ、加々見大五郎・吉田義夫
細川春武・大泉滉、三日月童子(少年時代 )・山手弘 監督=小沢茂弘
・「新諸国物語 笛吹童子」の大ヒットを受けて製作された「霧の小次郎」の3部作と関連した番外編2作目に位置づけられる。「三日月童子」の3部作、「霧の小次郎」の3部作の相手役だった三日月童子が主演。
原作・「新諸国物語 紅孔雀」
11 1954 新諸国物語 紅孔雀 第一篇 東映京都
12 1955 新諸国物語 紅孔雀 第二篇 呪いの魔笛 東映京都
13 1955 新諸国物語 紅孔雀 第三篇 月の白骨城 東映京都
14 1955 新諸国物語 紅孔雀 第四篇 剣盲浮寝丸 東映京都
15 1955 新諸国物語 紅孔雀 完結篇 廃墟の秘宝 東映京都
出演=那智の小四郎・中村錦之助、浮寝丸・東千代之介
主水・大友柳太朗、小六こと風小僧・山手弘 、美・高千穂ひづる 監督=萩原遼
・「新諸国物語 笛吹童子」の大ヒットを受けて製作された冒険活劇時代劇シリーズ、新諸国物語 紅孔雀は5部作が製作されて再び大きなヒットを記録して映画界に新諸国物語シリーズの名をさらに深く残ることになりました。
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原作・「新諸国物語 オテナの塔」
16 1955 新諸国物語 オテナの塔 前篇 東宝
17 1956 新諸国物語 オテナの塔 後篇 東宝
出演=小源太・中村扇雀(現・四代目坂田藤十郎) 三郎次・山田真二
夜泣丸・嵐寛寿郎 六太夫・市川小太夫、千鳥・青山京子 監督=安田公義
東映以外では2度目の映像化、作品自体はあまり有名ではないですが、原作が有名な「新諸国物語 オテナの塔」。東宝=宝塚映画で製作・配給がされた作品で、2015年にCS放送で放送され、わたくし愛子も録画しています。2016年時点で現役の歌舞伎の人間国宝・坂田藤十郎がまだ、若いときに中村扇雀と名乗っていたころの青年さも知ることができる貴重な主演作です。歴代の映画スター&時代劇スターの嵐寛寿郎も脇役で出演しています。この頃の嵐寛寿郎こと愛称・アラカンは、戦前から演じてきた主演の鞍馬天狗が1956年、右門捕物帳シリーズが1955年に終了し、徐々に助演が増えてきた時期でもあり、脇役の階段を徐々に上がっています。
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2016/05/08 08:42 | 邦画の探求 | COMMENT(0) | TRACKBACK(0)
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